冬を悼む
春は誰からも愛される
美しい季節で
人は冬が早く去ることを
願っているけれど
わたしは冬が愛しい
ひんやり澄んだ空気は
傷みの熱を冷まし
胸の澱みを束の間、
わたしの呼吸を
楽にしてくれるから
もうこんなに
桜は満開になって
皆を魅了して
春を望む人たちは
笑いさざめいている
ならば、せめてわたしは
冬を惜しみたい
わたしくらいは
行かないで、と
冬を
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