家庭教師 KU-YA!
―― スマイル団アジト ――
「えぇ~っ!?コモモの家庭教師ぃ~っ!?」
「ああ……」
「何それ!?」
「何でも、セレブリティ卿から、直々のご指名だとかで……」
「……それ、コモモちゃんの、策略なんじゃないの?」
「そうかも知れん……」
「うぅ~……」
「しかし、報酬は、5万ゴールドだ」
「ごっ、ごまn……!」
「酒場の借金も、まだ返済し切れてないし……断る訳には……」
「う~~ん……」
~ 翌日 ~
―― セレブリティ家 ――
「クーヤお兄ちゃぁんっ!」
「やぁ、コモモ」
「わぁーい!」
「こらこら、今日は、遊びに来たんじゃないんだからな」
「はぁーい」
「じゃあ、宜しく頼むよ、クーヤ君」
「畏まりました、セレブリティ卿」
「で……、何のお勉強を見れば良いのかな?俺は」
「しつけ、だって」
「えっ?」
「『おまえも、セレブリティけのじじょとして、そうおうの、きひんをみにつけるのだ!』って、パパが」
「成る程な」
「じゃあ……、俺が執事役になるから、コモモは、お嬢様らしく振る舞ってごらん」
「はぁーい!」
「では……
コモモお嬢様」
「キャッキャッ」
「本日の御夕食は、何に致しましょう?」
「桃のフルコースが食べたいわ」
「畏まりました。シェフに直ぐ作らせますので、食堂へ」
「はぁ~い」
「食後は、ヴィヴィアージュ邸のパーティへの出席となっております」
「きゃあ、エスコートしてね」
「ヴィヴィアージュ伯爵から、ダンスのお誘いを受けておりますが……」
「オジサンは、ちょっと……」
「では、お断りして宜しいですか?」
「しつ事は、おどらないの?」
「お嬢様のお望みとあらば。それより、貴女は、セレブリティ家の後継者なのですから、それらしく振る舞って頂かないと」
「へいき、家はリオン姉さまが、つぐから」
「それでも困ります、他の貴族との関係を保つ為にも」
「袖の下で、何とかしといて」
「お金で何でも解決しようとするのは善くありません。印象は良いに越した事はありません」
「だってコモモ、太ったきぞくのオジサンとおどるの、ヤだもん!」
「その言葉遣いです、普段の言葉遣いから直していかないと」
「……わかりました」
「お利口です。では、私と踊りましょうか」
「キャッキャッ」
「ふー……なんだか、たいへん」
「ははっ……でも、流石は令嬢だな。きちんとすれば、それなりに見えるじゃないか」
「そう?」
バチンッ
「こらこら」
「ウフッ」
「ん!?」
「? どうした?コモモ」
「そこの……まどガラスに……はりついてる、おんなのひとが……」
「なにっ!?」
「…………………………」
(モモだ……!)
「コモモ、ちょっと待ってなさい」
「うん」
「何してんだよ……」
「だって……コモモちゃんと、二人っきりで……!」
「……夕方5時には上がるから。そしたら、一緒に帰ろう。な?」
「うん……待ってる……!」
「悪い、悪い」
「あの女の人、だぁれ?たしか、おはなし会にも来てたよね?」
「え?いやぁ」
「……すき、なの?」
「い、いやいやいやっ!ただ、同じスマイル団に入ってるってだけで……!」
(こっ……この二人の衝突は、何としても避けないと……!)
「……ふぅ~ん、そう……」
クルッポー
クルッポー
クルッポー
クルッポー
クルッポー……
「ん、5時だ」
「今日は、ありがとう、クーヤお兄ちゃん」
「いやいや」
「コモモが世話になったな、クーヤ君。夕食も食べて行かんか」
「い、いえっ、そこ迄甘える訳には……」
(帰ったら、モモの飯があるし……)
「えー、一緒に食べようよー!」
「コモモも、こう言ってる事だし……」
「はぁ……では、頂きます……」
「わぁーい!」
「……5時、過ぎたのに……クーヤ、遅いなぁ……」
♪~
「あっ、LINE。『少し長引く』かぁ……」
「悪い、待たせたな、モモ」
「クーヤぁ~~~!」
がしぃっ
「こらこら、まだ外だぞ///」
「うぅっ……!」
「さ、帰ろう」
―― スマイル団アジト ――
「ふぅ、やれやれ……」
「クーヤの好きな甘口カレー、朝から煮込んどいたからね!」
「……!」
(今しがた……セレブリティ家のディナーを、腹いっぱい食って来たばかりだ……!)
「……食べないの……?」
「い、いやぁ、美味そうだなぁ、モモ手作りカレー!かははっ」
「そう?たっぷり作ったから、どんどん食べてね!」
(ちくしょー!)
―― セレブリティ家・コモモの部屋 ――
「…………」
(きれいな、ひと、だったな……)
「レナぁー、くちべに、かして」
「コモモお嬢様には、まだ早いですわ。どうしたんですの?」
「いいからぁー!」
Momo ももちよろづ @momo24rose
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