光と蔭と 第一部 第三章

『ながおかふくしのもり』でぎようふうしゆんの毎日をおくっていたわたくしの問題は『世界がひもでみえる』能力により『世界のすべてがみえてしまう』ことでございました。

 なにがしかのぶつたいに接触すると『円環状』の『ひも』の『しんとう』によってぼうばくたる世界中の悲劇喜劇誕生としゆうえん平和と戦争などいんもうの出来事がきようらんとうとなってのうに明滅するのでした。

 わたくしはようなる能力をえんしたのですが母親のいうように『ひとを愛することができるから』享受した能力であればとうつぼつとしてとうしておりました。

 やがごうしやなる自宅にせきする神田小学校に進学したわたくしはかけがえのない家族や儕輩たちにじゆつてきそくいんされないように『世界がひもでみえるちからはだれにもいわないでおこう。いや。いつか本統に仲良くなれるひとが出来るまで秘密にしておこう』とけつし平平凡凡なる小学生としてこうまいなる精神をかんようしてもらってゆきました。

 ようにしてわたくしはすでに小学校を卒業し中学高校だいがくと進学しみずからの『能力』をじゆしながらも平平凡凡たる人生をばくしんするのだなというようなあいまいとした人生設計が構築されておりました。


 ようにして『運命の年』と相成りました。

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