第3話「建国」

〜世界会議〜

「お忙しい中集まってくれた事、誠に感謝する。それより皆も気付いてるはずだ。」

「あぁもちろんこの前の気配は3代前の魔王。いや史実以前の時代の魔王とその時の勇者が命を賭して作った封印から蘇ったフェンリルという魔生物だ。」

「その頃の勇者パーティーの魔法使いがおります。」

「ええ、私は見ました。あれは無理です。対処不可能です。」

「そう…」

その途端会議室の扉が勢いよく開いた。

「大変です!町に、やばい何かが侵入しました!」


〜冥狐の森出口〜

とりあえず森に戻る前に人間の町を見ておきたいな。確かここから近いのはあっちの方かな。魔力探知により人が多い場所を、見つけることが出来るのだ。


〜アリエッタ王国城門〜

ここが人間の国か〜素晴らしいな。綺麗だ。しかしこのようなままでは簡単に打ち砕いてしまうぞ。

「そこのもの!止まれ!身分証は?」

「ないと困るのか?」

衛兵は呆れた口調で言った。

「当たり前だろう?持ってないのか?どこ出身だ?早く答えろ?後ろが待ってる。」

「俺に指図するのか?図々しい。俺はここを通りたいんだ。お前のするべきことは何か分かるだろう?」

衛兵はあまりの魔力量に絶望し、恐怖を抱いた。足は震え、槍を落とし、腰から崩れ落ちた。

「ど、どうぞ。」

早く報告しなくてはならないと衛兵は直感的に、感じた。


〜世界会議室〜

「すぐにアサシンを送れ!すぐさま抹殺しろ!」


〜街中〜

なるほどそう来たか、しかし全員バレてるんだなぁ。

「A班は作戦開始後敵の動向を観察、報告しろ」

「B班は奴を暗殺せよ。」

「C班は必要に応じ建物内から攻撃だ!」

A班は建物の上からフェンリルを、観察してるハズ、だった。

「やはり指揮者を倒さねば戦はめんどくさいからのう」

「目標発見!攻撃開始!」

投げナイフか

「そんな玩具で我を倒せるとでも?」

「ふん、それは刺すようじゃない」

「なに?」

次の瞬間、ナイフが爆発した。

「しまっ」

投槍が飛んできた。爆風で後ろに下がったのは不味かったか…クソ!投槍ももちろん爆発した。

「やったか?!」

「はぁいそれ死亡フラグぅ」

「な?」

喋ろうとしたのか口が開いたまま首が転がっている。

「どう?昔の勇者が使ってた言葉、使い方は同じなのかな?」

「何をし…」

俺は話を遮るように頭を捻り脊椎ごと引っ張り出した。その靱やか脊椎を使いほかの2人の首を折り、外のやつは片付いた。

「後は」

俺は窓ガラスを割りすぐさま、待機してた暗殺者を細切れにした。


〜世界会議室〜

壁が吹き飛んだ。

「やぁ初めまして、私、フェンリルと申します。お出迎え感謝ですが、次からはこのようなものでなく、美女をよこしてくださると嬉しいのですが。」

フェンリルは先程の暗殺者の生首を捨てながら言った。

「あぁそうそう、私が来たのはとある報告がしたかったのです。…神狐の森に魔生物共和国を建国する!」




次回「混乱」

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