第20話 イステリッジ公爵家に挑む ※ギオマスラヴ王子視点
イステリッジ公爵家と交渉する余地があるな。
リザベットが持っていた、イステリッジ家の刺繍が入ったハンカチ。この決定的な証拠を使えば、うまくいくかもしれない。交渉材料として、大きな切り札になる。
それに、貴族が王族を助けないなんて話は、やっぱりおかしい。イステリッジ公爵家には余裕があるようだから、こういう時にこそ、忠誠心を示すために助けるべき。それが、王族と貴族の本来あるべき関係のはずだ。
多少は、王家にも問題があったのかもしれない。それは、素直に認めよう。謝罪を求めているのであれば、俺が謝ろう。王子である俺が。
でも、イステリッジ公爵家の令嬢であるエルミリアにも問題があったはず。イジメを行うなんて、人として許されることじゃない。だから、お互い様ということで許し合おうではないか。
まだ、イステリッジ公爵家との関係を改善する手立てはあるはずだ。まず話し合う必要がある。だけど、慎重に行動しないと。これで失敗して、関係を改善する可能性が潰えるなんてことは絶対に避けないといけない。
この証拠を渡して、交渉は父上に任せようか。いや、ダメだな。弱腰になっている父上に任せたら、失敗してしまいそうだ。ここは俺が自分でなんとかしないと。
イステリッジ公爵家の当主を王城に呼び出そうか。いや、今回は俺から出向こう。それなりの誠意を見せつつ、なんとか説得するのだ!
イステリッジ公爵は、俺が想像している以上に力を持っている貴族だった。なら、油断せずに対応しないと。
「リザベット、俺はやるよ!」
「頑張ってください、ギオマスラヴ様!」
決意を固めた俺は、リザベットに宣言する。イステリッジ公爵家との交渉を絶対に成功させる。彼女の応援を受けて、やる気が出てきた。彼女も応援してくれる。その言葉が、俺に勇気をくれるのだ。
ということで俺は、イステリッジ公爵領に向かうことを決めた。王子である俺が、わざわざ会いに行くという姿勢を見せつつ、交渉を有利に進めるのだ。
イステリッジ公爵家との交渉を成功させて、俺の功績にするぞ。
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