完結おめでとうございます&お疲れさまでした!
金属と硝子を接触させたような声の当主と、異質なほどに平凡な声の黒鬼、という対比が、静かな空間を引き裂いていくような感覚で始まった物語だったなと思います。
強欲な石が峰の、欲の全てを食に全振りしたような遭さんが、何だかとにかく強いなと感じました。
そして始まる黄金の名前を持った前「真の当主」との話に引き込まれました。
ひたすらに黒鬼を世界の中心に置くかのような黄金さんと、徐々にほだされていくような黒鬼さんの関係がとても好きでした。
故郷においても異質な存在だった黒鬼さんが、それが故に「魔女」と出会うことになって、そして運命を変えていくことになって、最後に行き着いた場所が石が峰で、その中でも黄金さんとの関わりは特別なものだったのだなと思いました。はしゃぐようなことの多い黄金さんと、静かながらしっかり伝えることは伝えるような黒鬼さんのやり取りが楽しく、どこか感じてしまう不穏な気配と、それに何もできずにいる黒鬼さんの様子が辛く、最終的に訪れてしまう最後の時が悲しかったです。
次のことを考えていたまま最後になってしまった黄金さんの最後の手紙が、明るいものであったのがとても胸に来ました。
視点が現在に戻ってきて、遭さんの自然体な様子に安堵するような気持ちになりました。そして閉じてしまった黄金さんとの思い出が、まだそこに残っていることに救われた気がしました。
遭さんの提案と黒鬼さんの答え、遭さんの方は答えが何だろうが、という感じのようでしたが、旅の果てのその先を感じさせる終わりが爽快感を胸に残した気がします。
一日の中に悠久が詰まっているような物語、堪能させて頂きました。素敵な物語をありがとうございました。
作者からの返信
須堂さん、感想ありがとうございます!
今回も見切り発車で始めてしまい、しかも普段書くことのないファンタジーということで色々大変だったのですが何とか完結させることが出来ました。
黄金は突然閃いたのですが、結果黒鬼を掘り下げることができ、何よりも書いていて楽しい登場人物となりました。少しでも彼に関して感じてもらえるものがあり、喜んでいます。
また、実は一日の物語というところにも気づいて貰えて嬉しかったです。朝が大好きなもので、どうしてもそこで終わらせたくなり……頑張りました。
私にしては長い物語でしたが、最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。
企画完走お疲れ様です。楽しく拝読させていただきました。
遭と黒鬼との対話、そして黄金と黒鬼との対話。思い出語りと新たな出会いを機に、黒鬼は自ら定めた「旅の果て」から外に出ていきました。
二人の新たな対話の日々は、炙りたての海苔の香りと朝の風景の中で始まるのですね。明るい予感を感じさせる素敵なラストでした。
作者からの返信
あおきひびさん、感想ありがとうございます!
何とか完走することが出来ました。
特にプロットなどを決めずに走り出した物語でしたが、旅の果て、そしてその先に繋がる朝まで書ききることが出来、少し成長に繋がった気がします。
ありきたりな朝の風景から、また新しい日々が始まる清々しさを感じ取って貰えて嬉しいです。
この先がどうなるのかは私にもわかりませんが、きっと素敵な日々になる気がします。最後までお付き合い頂いたこと、本当にありがとうございました。
完走お疲れ様でした!
対話を通して魅力的なキャラクターが伝わってくる素敵な文章でした✨
みんな、それぞれの不自由さを背後になんとなく醸しながら、それでもその世界で自分なりの光を見出して日々を生きている様子に見えたので、その裏側には何があるのか、知りたくなりました。
黄金さんがとても好きだったので、寂しいです。゚(゚´ω`゚)゚。
作者からの返信
りりーさん、感想ありがとうございます✨
何とか完走まで辿り着くことが出来ました。黄金さんに対する愛あるコメントを頂けたという部分もあります。
難産でしたが、書いて良かったと感じています。
登場人物それぞれについて、その裏側まで迫る物語もいつか書いてみたくなりました。少しでも光ある日々を過ごしてくれますようにと今は願っています。
最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!