第3話 俺の師匠?

この3日間2人はいつも以上に鍛錬を重ねた

それは副隊長になりたいからではなく

お互いの本気を試したいから


「はぁ、あいつどんくらい強くなってんだろ。」


「並の力では叶わない。俺自身も攻撃に参加しなければまずいかもな…」


お互い楽しみな反面不安が積もり積もっていた

ながめはいつも通り自主練をしにいつも行く平地へ向かった


「ふっ、はぁ!…あ〜あいついいなぁ。自分で強そうなやつ描けばそいつと修行できるもんなぁ」


「私が手伝ってあげよっか?」


近づいてくる足音と共に女性の声が聞こえた


「ん?君、誰?」


「私ね、神奏ひな(しんそうひな)!」


聞いた事ない名前だ


「知らなくても当然だよ。私、ついさっきここに到着したの!」


「到着?どっから来たの?」


「ん〜…それが思い出せないのよね…」


「え?」


「寝ちゃってて気がついたらヘブンスタニアの本拠地にいたの。隊長さんに聞いても教えてくれないしさ!ながめ君?の所に行ってやってくれなんて急に言われて来たの!」


「あ、そうなの?でもなんで…」


「あなたを強くするためかな?でも正直私あまり戦闘経験は無いんだけど…」


「それに女の子だしなぁ…あまり乗り気にならないな。」


「むっ、聞き捨てならんぞぉ?私だってやればできるんだから!見ててよ!」


そう言うとひなは謎のポーズを取った


「はぁー!!ユニコーン!!」


ポンッ


「ヒヒーン!!」


「な、なんだこいつ…!!」


目の前には角の生えた馬が出現した


「ぷらすー!!うさぎの騎士団長!!」


ポンッ ピョンピョンピョン


「うわ!重装備をしたでかいうさぎが馬に乗った…?」


「いっけー!ラビットナイトー!!」


「な、なんだかわかんねぇけど!面白そうだ!!」


ながめは突進してきた馬とうさぎを避けてヘブンウィングを出した


「行くぜ!せりゃ!」


馬の足の根元を1発


「ここでうさぎにどっかーん!!だぜ!」


うさぎにアッパーをかまして2匹は消えた


ボフンッ


「えぇ〜!ヘブングライダーの人達でも5人でやっと倒せたくらいなのに!!」


「へっへーん!舐めてもらっちゃ困るぜ!!」


「すごい強いんだね!」


「まぁな!でもあいつに勝てるかはまだわかんねぇ…あいつすげぇんだ!」


「えーっと、じゅうが君!」


「そう!そいつの能力がさ…」


「全部聞いてるよ!だから落ち着いて!」


「おっと、悪ぃ悪ぃ…へへ」


「帰りながら話は聞くよ、今日は一旦終わりにしよ!」


「んー…わかった!色々聞かせてくれよ!」


帰り途中色々な事を聞いた

どうやらひなはヘブンタクティクスもヘルタクティクスも使えないらしい。

証拠に彼女は翼を持っていなかった

それに先程使っていた能力はまた別のものらしい。ただ能力の詳細は名前以外分かるとのこと。

自分がかわいいと思った物を自在に出して操る様だ


「なんだそれ、変なの〜」


「なっ、変なのじゃない!」


「はいはい!てかもう明日しかないんだけど…来るの遅くない…?」


「文句ばっかいってもー…私が応援してあげるから頑張って!!」


「なんだよそれ〜!」


「またね!わざわざ本拠地までありがと!」


「おう!また明日な!」


「また明日…!うん!」


彼女はなにか嬉しそうだった

彼女はヘブンスタニア本拠地に泊まっているらしい


帰り道、歩いているとよく目にしていたあの

背中が見えた


「お!じゅうがー!おつかれ!」


「おぉ、ながめか。お疲れ様!」


じゅうがが歩いていた。


「じゅうがも修行終わり?」


「んー、まぁそんなとこか。実は戦闘隊長に色々聞いてきたんだ。」


「え、ずる!そんなのありかよ!!」


「そんな事言って、聞いたぞ?お前なんか師匠がいるんだろ?」


「師匠…?」


「ん?いるんだろ?女の子の師匠」


「女の子…あ、ひなか!!」


「お?もうそこまで踏み込んでるのか」


「ばか、あいつ強くしてやるとか言って俺より弱いんだぜ?」


「え、そうなのか?」


「そうなんだよ!ほんと困っちまうよ…」


「ならお前も明日戦闘隊長に聞きに行ってみろよ。まぁこれ以上強くなって欲しくないけどさ。」


「そうだな…明日行ってみる!」


「あぁ、それがいい。明後日はお互いがんばろーぜ!」


「おう!ありがとう!がんばろ!」


ながめは走っていった


「全く、隊長は意地悪だな。1番気付かなさそうなながめにそんな師匠を付けるなんて。」


「ながめ、お前はいつ気付けるんだろうな?。守るもんってのは強くなるために1番必要な色だとと思うぜ。」


次の日


「燈翠隊長ー!!」


「ちょ、待ってよながめ!」


「今日も元気だね〜どうしたんだい?」


「俺もっと強くなりたいんだ!そのために何を鍛えればいいか教えてくれ!」


「何を鍛えればいいか…うーん…」


「全くもー私という存在がありながら…」


「君に今足りないものはなんだと思う?」


「足りないもの…なんだ…?」


「ヒントは心の中にありつつ身近にあるものかな」


「んん?ヒントでもっと難しくなっちまった…」


「今日中に分かるかな〜?さ!ここからは神奏師匠の出番だ!ながめをよろしくね」


「はい!ほら、今日もあそこ行くよ!」


「んー…あ、おう!」


そうして今日も俺らは平地へ向かった


「なぁなぁ、燈翠隊長の言ってたのってなんだと思う?」


「さぁ…でも心の中にあるって言ってたから精神的なものなのかなって思ったけど…」


「精神…か…じゃあ」


「とりあえず精神統一!!」


「おぉ!!…って単純すぎないか…?」


「シンプルイズベスト…!」ドヤッ


ドヤ顔する所じゃない


「それでも師匠かよ〜…まぁでもやってみる価値はありか!」


そして俺らは平地にて4時間に渡る精神統一をした

少しでも気がゆるもうものならひなから本気の1発をお見舞される

食らった回数、4時間で52回


「いてぇよぉ…」


「ながめ君ほんっと落ち着きないね…こりゃ心ん中鍛えろとも言われるわ…」


「で、でも!なんか強くなった気がする!」


「いや単純か!」


話をしていると平地の奥、スタンフォレストの方角から多くの足音が聞こえた


「ね、ねぇ、なんか大量に来てるよ…?」


「あれは…」


極稀にスタンフォレストに迷い込んだ悪霊達が暴走しスタンフォレストから出てくる事がある


「今日だったか…!丁度いい、力試しだ!!」


「私燈翠隊長に連絡する!!」


「あぁ、とりあえず雑魚から狩ってくぞ!」


俺はお構い無しに暴れまくった

ほとんどの悪霊を倒した

2体だけ残っていた。それは


Sランク 天邪鬼


SSランク 鬼神 大嶽丸


「あの2体、明らかに強ぇな…楽しくなってきたなぁ!」


「戦闘狂かって…」


「ひな!右の変なやつ頼めるか!俺左の明らかに強そうな鬼をやる!」


「わかった、死なないでね!!」


「そっちこそ!」


ひなは天邪鬼と共に離れた


「あなたの相手は私!!私だってやれるんだから!」


「ナア…ニ?」


「なに…?なんか見た目が変わってく…!」


天邪鬼は見た目を火斑燈翠に変えた


「ボク…シッテルゥゥゥウ!?!?」


「燈翠隊長…!?」


「ハハハハ!ハァ!」


天邪鬼は殴りかかってきた


「うわっ!あっぶな…でもあいつ殴って来たってことは能力までは真似出来ないのね!!」


「カカ…テ…オーデエエエエ!!」


「言われなくても行くっての!!」

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