第2話 ハロウィン鬼ごっこパート2

春猿火達は花譜を元に戻す為の緊急会議が始まった。

「どうやって戻すの情緒ちゃん?」

「えっとそうだね・・・」

ヰ世界情緒が考えていると、抱っこしていた花譜が声を上げながらヰ世界情緒のメッシュを掴もうとしていた。

必死に掴もうとしている動きに、思わずにやけ顔をした。

「情緒ちゃん?」

「え、あ、そ、そうだね。調合した素材から考えられると時間が経てば戻るから大丈夫だよ」

「そうなんだね。安心したよ」

幸祜は安堵の息を漏らした。

「ところで情緒ちゃん・・・」

幸祜は目を輝かせながらヰ世界情緒の方に手を伸ばした。

「私も花譜ちゃん抱っこしたい!」

「えー嫌だよーもっと抱っこしていたい」

表情を崩しながら花譜の頬を頬ずりしていると、春猿火が口を開いた。

「情緒ちゃん。さすが抱っこし過ぎだからそろそろ交代しようよ、私に」

「ちょっと春ちゃん!?」

すると、シエルが口を押えながらクスッと笑った。

「なんで笑ってるのシエルン!」

「ご、ごめんココス。ココスの反応が面白くて・・・」

「面白くないよ」

拗ねた顔をすると、ヰ世界情緒が花譜を持ちながら幸祜に近づいた。

「はい、幸祜ちゃん。花譜ちゃん抱っこする?」

「する!」

即答で答えると、ヰ世界情緒は花譜を渡した。

「あ、意外と重いんだね」

そう呟き笑みを浮かばした。

幸祜が花譜を抱っこしている間、春猿火はスマホのカメラで写真や動画を撮っていた。

暫く抱っこしていると、横にいたシエルに花譜を向けた。

「はい、シエルン」

「え?わ、私?私は大丈夫だよ。春猿火ちゃんに・・・」

「私は皆の後でいいよ。先にしーたんからでいいよ」

春猿火がそう言うと、シエルは緊張しながら花譜を抱いた。

不慣れ手つきな抱き方をすると花譜が唸り声を上げて戸惑うと、幸祜が優しく教えた。

「シエルン、こういう持ち方をすると安定するよ」

「わ、分かった」

幸祜の持ち方を見て真似すると、さっきよりも安定して唸り声が止み、眠りについた。

花譜はシエルを見つめると、気持ちよさそうに寝ていて、シエルは思わず微笑を浮かばした。

「花譜ちゃん、可愛いですね」

「「「分かる~」」」

三人はとろける表情をすると、再び春猿火が写真や動画を撮っていた。

数分間、シエルが花譜を抱いていると、春猿火の方に顔を向けた。

「春猿火ちゃん、そろそろ交代しますか?」

「大丈夫だよ。私はもう少し撮って置きたいから」

「いえ、そろそろ私の腕が限界なので・・・」

「あ、そうなんだね」

春猿火は納得して、シエルの方に向かい手を伸ばした。

「はい、どうぞ」

「ありがとうしーたん」

花譜を抱きしめると、春猿火は更にとろけそうな表情をした。

「あぁ・・・可愛い・・・」

すやすやと眠ってる花譜に、春猿火は思わず人差し指で花譜の頬を優しくつついた。

すると、まるでマシュマロのような柔らかさに春猿火は驚いた。

「あ~ぷにぷにだぁ~」

柔らかい声で言うと、ヰ世界情緒達は写真や動画を撮った。

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