神椿スタジオ小説・ハロウィン鬼ごっこ
月葡萄
第1話 ハロウィン鬼ごっこパート1
魔女達の家
十月三十一日の昼、ある一軒家に地下室があった。
その地下室には化学薬品の匂いが充満していた。
そんな部屋の中に、二人の少女がいた。
黒色のキョンシー服を着た少女——ヰ世界情緒がフラスコの中の白色の液体を軽く振って頷いた。
「うむうむ・・・なるほど・・・」
それを見ていた、メイド服を着た少女——花譜はずっと気になっていたことをヰ世界情緒に聞いた。
「情緒ちゃん、それ何作ってるの?」
「これはね、今日のコスプレに使おうと思う薬を作ってるの。花譜ちゃんのも作ってるから一緒に飲もうね」
「うん、いいよ情緒ちゃん」
花譜は満面の笑みを浮かばせて頷いた。
ヰ世界情緒も笑みを浮かばせて、
赤色の液体が入ったフラスコと白色の液体が入ったフラスコ二つを持つと、一瞬で真剣な表情をした。
「花譜ちゃん、今から薬の調合するから少し静かにしてね」
花譜は両手で口を抑えると、ヰ世界情緒は慎重に赤色の液体が入ったフラスコを白色の液体が入ったフラスコに少しづつ注ぎ、ピンク色に変わった。
四分の一程入れると、注ぐ手を止めた。
「・・・よし」
花譜は安堵の息を吐いた刹那、ヰ世界情緒は鼻がいきなりムズムズしてきたが我慢した。
しかし我慢出来ず、くしゃみをした。
すると、くしゃみの反動で赤色の液体が勢いよく白色の液体に入った。
それを見た花譜とヰ世界情緒は目を見開き、声を出すよりも先にフラスコはピンク色の光を輝き、爆発した。
その爆発を聞こえたチャイナ服を着た少女——春猿火と警官服を着た少女——幸祜と悪魔コスチュームを着た少女——シエルは驚いた。
近くにいた春猿火が地下室に向かい、爆発で飛んだドアを踏まずに中に入った。
「ケホッケホッ・・・花譜ちゃん情緒ちゃん大丈夫!?」
煙たりながら前に進むと、春猿火の目の前に一つの影が見えた。
煙の中から現れたのは、何かを抱えたヰ世界情緒だった。
「情緒ちゃん大丈夫!?」
ヰ世界情緒は頷くと春猿火はホッとして周りを見た。
「情緒ちゃん、花譜太郎は?」
春猿火は尋ねると、ヰ世界情緒は何故か声を震わせていた。
「春ちゃん・・・花譜ちゃんが・・・」
手に持っていた何かを見せると、春猿火は驚いた。
「え、じょ、情緒ちゃんこれって・・・」
「うん・・・花譜ちゃんだよ・・・」
春猿火が見たのは——赤子の姿をした花譜であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます