第四十七話 時計
悪亜side
そう目の前にいたのは
「路地裏の強面さん!!」
デスタを探している時にぶつかった人だ
私がぶつかったけど私が吹っ飛んだんだった
「路地裏強面さん…!?・・・あぁ…うん…そっかぁ…」
路地裏強面さん。通称路地裏さんはちょっとしょんぼりしてるように見えた
「こほん…嬢ちゃん…今冥界は大変なことになっているんだ。近づかないほうがいい」
路地裏さんは再び私に危険だと言った
「でも…私の臣下が…デスタがいるかもしれないんです!!」
頭のモヤモヤと臣下がいなくなるかもしれないという不安と恐怖が私を襲う…
「死神デスタ?」
不意に路地裏さんが言葉を発した
デスタと聞き返したんだ
「・・・知ってるんですか…?」
私は無意識的に聞いた
今考えてみると私はデスタやメイドさんシャロッテ達を全然知らない
「ん?あぁ…冥界ではそこそこ有名だね。」
有名なんだ…全然知らなかった…
「煉獄湯と饅頭が好きだねデスタ。それに・・・おや?」
・・・主人なのに…全然知らなかった…どうしてなんだろ…
私はその時ショックを受けていた。自分のことだけではなく臣下のことさえ知らないなんて…
「なぁ…嬢ちゃん。その時計…どこで…買った?」
私がショックでワナワナしていると路地裏さんが質問してきた
「え…?この時計ですか?」
私は首にかけていた懐中時計を路地裏さんに手渡した
「これは…・・・わかりません…ただ…捨てちゃダメな気がするんです。」
この時計…どうして持っているんだろう…時計の針は動かないのに…
「・・・」
路地裏さんは時計を見て黙っていた
動かないのに持ってるからかな…
「路地裏さん?」
私は声をかけた
「・・・ん!?あぁいや…少しな…・・・そうか…(ポソッ」
路地裏さんはそう言って私に時計を返してくれた
「今…地獄は少しパニックだ。君の屋敷まで送ってやろう…名は?」
路地裏さんが屋敷まで送ってくれる…確かに今はパニックだしいいかもしれない
「名前は…悪亜です。」
私は名乗り、路地裏さんがおんぶしてくれた…
筋肉がすごかった
「悪亜…さんかぁいい名前だー」
そうして路地裏さんが屋敷まで送ってくれたのだった…
あれ…?何しに外に出たんだっけ…
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