第四十二話 再び冥界へ

魔界から転移なしで戻ったデスタ

再び崩壊している冥界に訪れていた

一人でも多くの生存者を探すためだ

そして情報を得るためであろう



デスタside


崩壊してるよなぁ…うん生存者も期待はできなさそうだが…


「いや…そもそも冥界って死者が集まるところだったか…」


そんな冗談を言いつつ冥界を歩いていた


「・・・無事な建物はほとんどないな…無惨」

微かな望みもないらしい…天界はやはり徹底的だ…


ほぼ骸となっている者たちばかり…


「ん…?」


微かに骸にはなっていない者達は見つけた


近づいて見てみると

「シグ…メイ…ハル…君たちは無事なのか?」


仕事場の後輩と同期が一人


なるほど…シグが身を挺して後輩達守ったか

彼女らしい…

今の所…シグの出血量がひどい…メイとハルは意識を失っておるが軽症か…

死壁デスウォール…」

黒い光を放つ壁が二人を囲んだ

とりあえずメイとハルはこの壁の中にいてもらおう…

その方が私としてもありがたい…仕切りがあることによってわかりやすくなるからね


「シグ…少し耐えろ…すぐ良くなる…」


私はシグの足元に立ち


阿邪寡黙あじゃかもく…」


私は呟きカマをシグに向かって振るった…


その瞬間シグの出血はピタリと止まり顔色も良くなっていった

「ふぅ…何度か使うが…うーむ…疲れるね…」


私はため息をつきながらその場にへたり込んだ

疲れるものは疲れるのだ…唯一使える治癒だ。治せるがその分こっちの体に疲労だ溜まる…キッツ…


「とりあえずシグの方は大丈夫だろう…」


メイとハルは…目を覚ませば問題はない…


ならこいつらが目を覚ましたら事情を聞くとしよう


「悪亜様の方は…情報操作をしてくれてるだろう…雷魔が」


悪亜様にはあまり知られたくないのでね


私はそう呟いて彼らが目覚めるのを饅頭を片手にしばらく待つのだった

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