北海道M新報 1977年9月5日付

 消息を絶っていた里中真理恵ちゃん(5歳)の両親の自宅に、くり抜かれた眼球と乳歯の一本が郵便で送られて来た。


 消印はI県O町からで警察はその眼球と歯が真理恵ちゃんの物か鑑定中である。


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 今は警察に鑑定をお願いしてるところです。通っていた歯医者のカルテがあったので、提出してもらいました。


 多分、真理恵の右目だと思います。なぜ右目かって? 真理恵は生まれた時から左目の眼球が無くて、ずっと義眼を入れてました。そのことでからかわれたりすることが多かったみたいです。


 妻はそのことをいつも悔やんでいました。妊娠中にあの薬さえ服用していなければこんなことにはならなかったと。


 妻は今、精神的に不安定な状態です。娘の左目さえあれば、仲間外れにされることなく、広場で一人で遊ぶこともなく、そして誘拐などされずに今も平穏に暮らせているのにと。私も同感です。


 私たち夫婦は誘拐犯を何があっても許すわけにはいきません。絶対に捕まえて欲しいです。こんな蛮行が許されるなんて法治国家にあるまじきことです。


 私たち夫婦は真理恵が見つかるまで写真入りのチラシを駅前で配ろうと思っています。みなさんどんなささいな情報でも良いので警察や私たち夫婦に伝えていただきたいと思います。

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