第115話  天上界の日常

僕らは日常に戻った。神様候補生の最終学年、

いつも通りに学校へ行く。

学校内では大人の神様達も巻き込んで人間界で暴れた、ひどい生徒だと3人とも有名人だ。

氷川が「学校内での僕らの噂、大変なことになっているよ。」

弁天も「私なんか、人間界で大暴れ、さすが弁天先輩って後輩からは、羨望の眼差しで見られたけど。」

僕は「羨望って弁天、意味違うんじゃないか?」

氷川も「そうだね。大暴れだもんね。」

弁天が「まあ、有名人ってことでOKだよ。」弁天もいつもの日常、天上界でのびのびしているようだ。人間界でも高校生してたけど、どことなく、ぎこちなかった。

やっぱり、ホームグランドがいいに決まっている。もちろん。僕もだが。

そうなると逆に天上界に来たサラはどうだろうか?

「サラ、天上界はどう?大丈夫そう?」「もちろん。大丈夫。なんか楽しそう。」

サラは逆に目が輝き、馴染んでいるようだ。たぶん、もともと天上界がサラの本当の居場所だったからすぐに馴染めているんだろう。

神様も人間も動物や小さな虫、植物花もそうだ。あるべき場所にいないと本体に歪がくる。暖かい場所で咲く花を冷たい季節にもっていくと枯れてしまう。異なる場所だと生存するのは難しい。

氷川が「トダ、何、ボーっとしているんだ。授業はじまる。急げ。1限目が古代歴史だ。あの先生、遅刻にはうるさいから、急ぐぞ。」

「そうだな。」

いつもの日常。午後は当番制で大鏡から人間界の観察。こんな穏やかな日々を僕らは過ごしていた。

しかし卒業試験の結果はまだだ。

サラも何とか、難しい授業にもついてきている。

本好きの僕は合間をぬって図書館通い。6学年のクラスを越えて学長室につながる廊下の中央。ここが図書館だ。妖精の本を探しに来たのが、ついこの間のようだ。

司書のイセさんがいた。「トダ君、最近毎日来ているね。何か探している本があるの?手伝いますよ。」「ありがとうございます。時にテーマがなく、目に留まった本を選んでいます。」

「そうですか?何かあったら声をかけてくださいね。」「はい。」そう言って僕は、司書の机に山積みされた本に目がいった。

表紙にAの文字の文字の本。それはオートマックに自動更新される本だ。

そしてもう1つは、Fつまり完結の本。Aの本が20冊ぐらいFも同じくらい机の上に今にもこぼれるように置かれている。「バサッ」1冊の本が落ちた。表紙A。自動更新される本だ。手に取りタイトルは?


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