第111話 宴
ヒイラギさんとサカキが到着。
サカキは「賀茂、庭埋めのヤカラはすべて消滅させた。集め払いまで下準備、見事なものだ。陰陽師か、腕がいいな。人間にしておくには、もったいない。神様にならないか?
私が七色髪のはじまりの神様トダ様に言ってあげてもいいぞ。」
「サカキさん、ありがとうございます。僕はただの人間の陰陽師です。言葉だけで十分です。」
「そうか。」サカキと若い姿のヒイラギさんは奥の宴の間へ。
宴の間はあらかじめ、時空空間を僕が造っておいた。天上界と同じ白い雲でふかふかだ。
客人は風神の丸太郎、時越鳥の時越と続く。
僕は「丸太郎、久しぶり。元気だったか?」
「トダ、それはこっちのセリフだ。」
小声で「無茶するな。」言い残し「時越、酒があるぞ。祭りだ。飲むぞ。」サカキと合流。騒がしくなる。
愛宕も続く。見つけた石丸が愛宕の手を引っ張り宴の間へ。
氷川が「七色髪のはじまりの神様トダはまだ?」
「妖精サカキがついてる。大丈夫だ。彼は来る。」
氷川が「僕らの落とし穴に落ちるのを察知しているんじゃないか?」
「それはないな。落とし穴の結界を確認したが、よくできている。賀茂君は本当にすごい人間だ。それにあらかじめ人間の生け贄を用意していることを伝えていた。必ず七色髪のトダは来る。」小さく氷川に伝えた。
賀茂君がみんなを見渡し。「宴をはじめます。」
僕は「まだ七色髪のトダが来ていない。」
賀茂君は細く微笑み「人数は足りてる。」
「えっ?」
石丸とキリの巫女の舞がはじまり。
「シャン。シャン。」と鈴の音が響く。
鈴の音で清められたのか、宴の間は静まり、
大人の神様達の手が止まる。
賀茂君の笛の音のが宴の空間を覆い尽くすよに
細く着物のようにまとわりつく。
笛の音は更に悲しく鳴り響き、帯のように大人の神様達、愛宕、サラ、弁天、ニュウ、氷川までも縛りあげていく。気づいたサカキが音の帯を振りほどこうとするが、すでに手遅れだ。
丸太郎は黙って捕まっている。。
「賀茂君、間違ってサラ達を縛っているよ。」僕は叫ぶ。
「トダ、間違ってない。はじめから神様みんな捕まえて消滅させる予定だ。予定通りだ。」
「キリ、石丸!」
2人とも操れているのか、目が動かない。
賀茂君は淡々と神様達をものように落とし穴に落としていく。
「どうしてこんなことをするんだ!」
「ひどいな。トダも人間を生け贄にしたんじゃないか?」
すべて見透かされていたようだ。
「次、トダの番だ。おちろ。」
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