第109話 賀茂家とキリ
部活帰りのキリと合流。僕らは再び賀茂君の家へ。陣地へ来た。
賀茂家の門をくぐる。
「キリ、大丈夫?」
「えっ?」
「賀茂の陣地にはヤカラの封印や結界が張り巡らされている。神様の僕らでさえカラダに負担が、かかる場所だからな。」
「トダ、心配してくれてありがとう。でも平気よ。陰陽師の賀茂の家には月合わせ会で来ているから大丈夫よ。ほら見て、塀に沿って白い大手毬の花が咲いているでしょう。綺麗なのよね。この時期。」
僕は驚いた。キリは賀茂家のことを知り尽くしている。
「月合わせ会とは?」
「以前は火祭の巫女の石丸も参加していた会で、ほら、私達人間は神様と違って力も時間、寿命も短いでしょう。だから未然に防げる事柄は神様の手をわずらわせずに、未然に自分たちで防ぐ的な会。大義名分だけど、私なんかは正直、お菓子目当てだった。特に賀茂のおばあちゃんの出すお茶とお菓子は最高だった。
今は賀茂と式神だけだし、出てくるのはコンビニのスイーツぐらい。」
「へえー、それって続いてるんだ。お菓子は羨ましいな。」
「そう?」
僕は脳内の一部で透し。もしかして・・・まあいい。
僕らは家の中へ。賀茂君が玄関で出迎えてくれた。
「結界落とし穴は完成したようだな。さすが、賀茂君だ。弁天達もありがとう。」
サラがアピール「私も結界張れたよ。すごくない?」
「そうだな。はじめてにしては、すごぞサラ。よくやった。ニュウもご苦労様。」
僕と氷川の後ろに隠れていたキリが顔を出す。
サラが「あれ?キリ。部活終わったんだ。」
「うん。トダに誘われて来ちゃった。」
一瞬、賀茂君の表情がキツくなる。
とっさに僕は「学食にいて、そこで偶然、キリに会った。それで何となく、誘ったんだ。」
「そうなの。」無邪気にキリがサラに話す。
賀茂君が「たまたまね。」
話題を切り替えるように僕は「それで、この結界の威力、働きはどう?」
賀茂君が「軽く10人の神様は落とし穴に落とせるよ。」
「それはすごい大きな落とし穴だ。さすが賀茂君。縛りはどのくらいだ?そうだな200年ほどかな。僕の力じゃこれが限界だ。」
「そうだな、神様にとっての200年は、あっというまだ。しかし、人間とっては長い年月だ。」
「そうだな。」そして僕は「賀茂、大人の非情な神様達を懲らしめるんだろう。」
「そうだ。」
「200年ほど経てば神様達は反省するかな?」「すると思うよ。」
「明日。夏祭り決行。石丸、愛宕、みんなも呼ぶぞ。」
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