第108話 結界・落とし穴完成
僕と氷川は石丸の火祭神社の復活、祝いの夏祭りの開催の招待状をつくり終えた。
「トダできたな。」
「そうだな。この文言で大丈夫だ。」
僕は、何かを確実に決行させる時には、言葉を言い切るようにしている。大丈夫だろう。ではなく、大丈夫だ。を使う。
言葉には言霊がいる。
神様でも人間でも同じだ。
言葉を支配してこそ、実行が伴う。
氷川が「トダ、結界の落とし穴そろそろできるんだろう。僕らも行くか?」
「その前にこの招待状を送信。」
「送信?変な言い回しだな。」
「人間界のメールだ。氷川も人間界のカップ麺を食べて、即席人間、氷川の出来上がり。
人間界の高校生の用語も覚えた方がいいぞ。」
「そうだな。トダ、僕変じゃないか?
浮いていないかな。」
「大丈夫だ。」
「トダー。」
同じクラスのバスケの春日君がジュース片手に声をかけてきた。
「トダ、部活じゃないのに珍しいな。」
「ちょっと、やることがあって。」
「横は?友達?」
「氷川だ。今度この高校に転入して来るかもしれないんだ。」
「よろしく。僕はバスケ部の春日だ。
氷川君、背が高いから転校生してきたらバスケ部へ。じゃ。」
「じゃ。」
氷川が「なんで僕が転入するかもなんだ。
いい加減なこと言うなよトダ。」
「そうか。僕は、氷川と人間界の高校一緒に通えたら楽しいだろうなとそう思ったからさ。
言葉を制して事を実現化する。
僕の常套手段だ。氷川、見えてるぞ。お前の存在。よかったな。」
氷川も以外と乗り気のようだ。
「その前に僕らは大人の神様を懲らしめないといけない。」
「そうだな。」
「そろそろ落とし穴できそうだ。賀茂君の家へ行こう。」
学食を出た。キリがいた。
「トダ、氷川どうしたの?」
「キリ、部活終わった?」
「もうすぐ終わる。」
「大人の神様を落とす落とし穴の結界が出来たんだ。賀茂君の家に行くんだ。一緒にどう?」
「行きたいけど」
「大丈夫。ここで待っているよ。」
キリは体育館へ戻った。
氷川が「どうして、キリを誘ったんだ。
人間のキリには賀茂の陣地にいるだけでも苦しいはずの場所だ。」
僕は“それ”を口にしなかった。
「特に理由はない。キリがそこにいたから誘った。それだけさ。」
僕は口には出さず。キリがいた?偶然?
偶然はない。すべて必然だ。
僕はバスケ部の練習時間の終了を知っていた。
キリには古代都市ポメぺでのサラになってもらう。ニュウを責めたが、結局僕もただの神様のようだ。僕も人間が神化し、神様になったテオリオと同じだ。
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