第103話 神様・人間の混合チーム
僕らは奥の部屋に通された。賀茂君と式神以外は誰もいないようだ。
「賀茂君の両親は?」「ここには住んでいない。ここは祖母の家。僕が引き継いだ。両親は陰陽師の力がなかったんだ。今は一人だ。」
弁天が「賀茂とは雨乞い祭の霧島家で風神様と時々あっていたが、子供なのに
妙に大人びて、生意気な人間だと思っていたが、すべて自分でやっていたのか?」
「そうだ。」「すごいな。」賀茂君は照れるなことなく対等に弁天と話している。
やはり自分の陣地だと、見えない自分を推してくれる後ろ盾のような力がつくのだろう。そうだ、思い出した。教科書に書いてたな。人間には神様みたいな力はないが、自分が慣れ親しんだ、場所、ものは、その人間を助けてくれると。だから人間界では人を家に招き入れることは特別なことらしい。もちろんいい意味でだが。
逆の意味で招き入れられたら、逃げれない。そう言えばサラがさっき門の結界に捕まった。賀茂君が僕を見た。「トダ、安心しろ。ここに閉じ込めたりしない。弁天はとどめておきたいが。ハハハ。冗談だよ。」
弁天が引いている。「さっき、賀茂を褒めたけど全面撤回。」
サラが「えっ?何?」
氷川が「サラは恋愛にも鈍いようだ。」
「えっ?氷川、また私をばかにした。氷川嫌い。」
ニュウが「サラ、僕も恋愛はわからないぞ。」
「ニュウ、君はいいの。」
僕は手を打ち。鈴を出し鳴らした。自分の陣地にするため。神様アイテムだ。
氷川が「賀茂の陣地なのに天上界のトダの部屋のようだ。」
空気が変わる。
「始めるぞ。」
みんなの目が変わった。「僕らは七色髪のトダ、はじまりの神様やヒイラギさん、風神丸太郎に時越の鳥、サカキら大人の神様に試された。しかも人間の友達まで巻き込んで。いくら試験でもひどすぎる。キリはあのまま消滅さえしたかもしれない。
みんなは友達を失っても試験を優先させるのか?」
「そんなのだめに決まってる。」
「そうだ。だからこそ大人の神様から天上界を乗っ取ろう。で考え付いたのが、まずは大人を懲らしめること。大きな落とし穴を掘って大人の神様達を落とそうと思う。どうだ?」
ニュウと氷川の目が輝く。「楽しそう。」「ちょっとぎゃふんといって欲しい。」
弁天も「楽しそう。」サラも「おばあちゃんには悪いけど。私も乗った。」
賀茂君が「落とし穴はこの陣地でどうだ?」
僕は「申し分ない。ここに大きな落とし穴を造ろう。それも逃げれないような、結界の落とし穴をね。」
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