第102話  賀茂家

僕らは大きな門をくぐった。足を踏み入れた瞬間、強力結界がはられているのがわかった。

「賀茂君、この結界は誰が?」

「僕だ。」

氷川も「これはとても頑丈な結界だ。これだったら神様、ヒイラギさんクラスでも容易に破ることはできないな。」

弁天も「これ凄すぎる。」

賀茂君は弁天に褒められて嬉しそうだ。

サラが「何、何?」門を出ようとしたら「ボヨーン。」ぶつかる。

「痛い。賀茂、何これ。出れないの?」

「そうだ。この陣地は賀茂家の結界が張られている。人間界で出た魔物の類を天上界の神様達に伝言がつながらない非常に封じてこの陣地に留めておくためだ。

人間界の駆け込み、相談所的な役割だ。陰陽師の仕事の一つだ。

それにこの陣地からは、僕の呪文がないと出れない。よく見て、両サイドの白い塀の真下に木と木の間に壺が半分埋められているだろうあれだ。魔物の類を封じた壺だ。」

「えっ?魔物の壺?私は敷地をぐるーって回るように置いてるからオブジェか何かの飾りだと思ってた。魔物が入ってるって聞くとこわよ。」

氷川が「サラ、今更だけど神様の僕らはみんな気づいていたよ。サラは筆記試験もだけど実践経験もまだまだ足りない。こんなんじゃ神様候補、卒業試験落ちちゃうよ。」

「えー嫌だ。トダ、氷川がいじわる言うよー。」

僕は「そうだね。サラはどちらもまだ未熟だ。でも大丈夫だ。僕がいる。天上界の運動会で大玉、大手毬を追いかけて人間界へ落ちた僕をサラは助けてくれた恩人だからな。全力で試験受けるようにフォローするよ。」

サラは嬉しそうに「ありがとう、トダ。」

そして弁天に抱きついた。「私、落ちこぼれないよう頑張るね。」「そうね、サラ。」

サラが氷川にも「私、絶対試験パスするからね。氷川も協力しなさい。」

「はい。はい。サラ様」とふざけて答える。

賀茂君はそんな様子を賀茂君は、だまって眺めいる。

そして僕はこの陣地の白い塀の白に隠れられるように咲いている白いアジサイのような花達、大手毬を見逃さなかった。

賀茂君が手招き「では、家の中へどうぞ。」

大きな木の枠のりっぱな玄関だ。

入ると着物姿の式神の幼い可愛い少女が2人、僕らを待っていた。

「えーーー!」サラより先に弁天が叫ぶ。

何か言いたげだったが、固まってる。

氷川が「賀茂の式神達、可愛いね。」

「あー、亡くなった祖母の式神達だ。力と共に僕が引き継いだ。」

弁天も含め僕らは、頷きながら家の中へ通された。



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