第97話 境界線から脱出
僕らは急ぎ1階へおりながら考えた。これはたぶん、すべて試験だ。巫女、陰陽師、一般の高校生、先生に古狸、人間界の生命体を巻き込んだ大掛かりな仕組まれた試験だ。
確かに天上界の僕らと人間界はつながっている。神様の仕事は?と聞かれると人間の手助けをすること。見守ることだ。しかし、本当にそれでいいのか?それが本当なのか?確かに僕らは人間から見れば不思議な力が使える。大鏡を使って透しもできる。古大鏡を使って過去を覗くことも行くこともできる。しかし、それが人間より優れているとは思わない。僕らも神様戦争があった。人間に近い思考、欲を持つ金色髪の神様と欲のない、純粋な無垢な神様も銀色髪の神様。もちろん今の天上界は銀色髪の神様が多数を占めている。が彼らがすべて100点だとは思わない。この世界のはじまりの神様、七色髪のはじまりの神様トダは僕に任せるといった。
僕は第二章のはじまりの神様トダだ。僕らしく、改革をする。仲間と時を紡いで、いきたい。それが天上界、人間界とはっきり分けることなく曖昧でもいいと思う。どちらの世界も今は白黒つけたがる。明らかに生きにくい。息が詰まる。
この感情は天上界の神様も人間界の人間や狸などすべての生命体に共通する。
「僕はこの二つの世界を融合させる。決めた。」
氷川と弁天、サラが振り向く。
僕に「いいと思うよ。」「私もいいと思う。」「いいよね。」
氷川が「そうだな。改革派は必要だな。それに全く相反する世界が存在することからみんなに認識してもらう必要がある。だがトダ、お前ならできるさ。」
弁天も嬉しそうに「そうね。トダならできる。それにその改革の中に私達もいる。時の変革の時の中に。」
サラが「私達、みんなが主人公ね。なにか、ワクワクする。」
「だな。とにかく、仲間を起こそう。」
サラが「キリ、ミユ、起きて。急がないと乗り遅れるよ。」
弁天は賀茂君とタクヤを揺すり「起きて、賀茂。タクヤ。遅れる。」
2人はピーンと反応してすぐさま起きた。起きるなり賀茂君は弁天の顔を直視。固まっている。タクヤは弁天の手を握り「起こしてくれてありがとう。」
僕は「レン、起きろ。」レンは起きない。
「サラ、頼む。」「OK。レン起きて。」ピーンとレンも反応。即起きた。
「なんだお前ら?」氷川が言いながら笑う。
タクヤが「乗り遅れるってどういうことだ?」真顔で聞く。
「改革だ。天上界と人間界を融合する。僕らでな。」
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