第93話  古代ポメぺ・生贄サラ

僕らは時空の空間から「ドーン」ポメぺの町の石畳に落ちた。

弁天が「痛い。時空移動もう少し優しく落としてくれないかな。」

氷川が事務的に「大丈夫?」

僕は手を「立てる?弁天。」

「ありがとうトダ。氷川も少しは見習いなさい。だから女子にモテないのよ。」

「別にいいよ。僕は書物の方が好きだしモテなくてもかまわないよ。」

弁天が「そういうところは人間界の男子の方がいいわよね。女子の扱いは上手い。」

そんな弁天の言葉も気にならず氷川は「僕は神様。女子にモテたいって思ったことないよ。神様ってそんな感じじゃないの?中性的とか?特に恋愛感情も無い人が多いかも。でもヒイラギさんは違ったね。古大鏡で見る限りしっかり恋愛していたし、サカキ様もだ。トダはどうだ?人間の巫女キリのことは結婚相手として良いとか告白していたけど。」

弁天が氷川、性格悪い。天上界の大鏡で見るところ他にあるでしょう。」

「そうだけどすごいエネルギーの光が見えたから見ただけだよ。誰かなって見たら、トダだった。弁天の様子もついでに見せてもらったよ。弁天もガサツな割に人間界ではモテているようだな。」

弁天が氷川の頭を「コツン。」じゃなくて僕が、2人を「コツン」した。

「うるさいぞ。これじゃまるでほんとの人間界の高校生みたいじゃないか。僕らは神様なんだぞ。威厳と自覚を忘れるな。」

氷川が「わるい。ちょっとこうやって3人だけで一緒って久しぶりだから、うれしくて舞い上がってしまったよ。」

僕は2人を見て「そうだな。久しぶりだ。しかし今はサラの救出が先だ。幼いトダ、神殿の神様テオリオ、テオリオの正体を突き止めなくてはいけない。それにテオリオは人間が神化した神様だ。僕らとは少し違う。前回会ったとき気づいた。神の光、金色が見えなかった。

コンジキ。銀色髪の神様でもなかった。

たぶん稀に見る人間の神化の神様に間違えない。」

弁天が「幼いトダは知っているの?」

「知らないと思う。そのことがわかるのは七色髪のはじまりの神様トダと僕、時越の鳥、風神丸太郎ぐらいだ。」

氷川が「神様テオリオ悪い奴なのか?」「もう一度会って話さないと分からない。仮の話はしたくないが、火山の噴火を止めるにはドラゴンの力がいる。そのために人間界の人間達には生贄を差し出す風習があると聞いた。」

僕は黙って弁天と氷川の顔を見た。

氷川が「授業で習ったことだ。サラが生贄に。」

僕らは急ぎ神殿へ向かった。

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