第89話 境界線の古大鏡
僕はサラと弁天に「ここからは神様の領域だ。仲間である人間の友人たちは1階で寝ている大丈夫だ。
僕らは僕らの使命を果たさなくてはいけない。人間界を荒らしている”あの方”白い衣のトダ。
僕らは捕まえなくてはいけない。彼の目的がなんにせよ許されることではない。それに境界線にあるこの塔になぜ僕らは呼ばれたのか知るためのも。進もう。それにはじまりの神様七色髪のトダもここに僕を呼んだ。行くぞ。」
僕らは3階に上がった彼の気配はなかった。
大きな部屋の正面に大鏡。天上界の大鏡のようだ。
弁天が「あれ、大鏡じゃない?」「そうだな。しかし映っている景色が、よく見ると過去だ。あの大鏡だが教科書にあった過去をも見ることのできる古大鏡じゃないか?」
弁天が「そうね。教科書に載ってた。先生が試験に出ますとか言っていたから覚えてる。」
「そうだな。」
サラが「教科書に載っていた古大鏡が、なぜ境界線にあるの?」
弁天が「教科書にはその場所は不明って書かれていたけど。ここにあったなんて。それに正直、普通ここには私達は来れない。一部の上層の神様だけ。」
「でも来ちゃたわけだし、ちょっとのぞいていかない?ねえ、トダ、いいでしょう?」
「そうだな。僕も興味がある。見てみよう。」
僕らは古大鏡の前に立った。
「あっ、誰か走って来た。」
「白い煙で見えない?あっ見えた。えっ?
おばあちゃん。家の近くよ。塀が見えた。」
「ヒイラギさんだ。」ヒイラギさんに間違いない。今、サカキが家に来ている。おばあさんだったヒイラギさんが若くなっている。
間違いない。若い時のヒイラギさんだ。
弁天が「誰かに追われていない?金色髪の神様に追われている。わあ、捕まりそう。」
「バーン」
「竹刀で誰かが、金色髪の悪い神様を追い払ったよ。誰?あれ?おじいちゃん。」
僕は驚いた。サカキが言ってたことを思い出した。ヒイラギさんに告白したけど振られたと。そうか、ヒイラギさんは人間のサラのおじいさんに助けられて恋に落ちたんだ。
場面が切り替わる。ヒイラギさんと父、若き日の校長先生だ。「人間と結婚したら二度と天上界では暮らせなくなるぞ。いいのか?」
「はい。怠け者で弱い者いじめする金色髪とは天上界で一緒にいたくありません。」
「人間に神様だとは言ってはいけない。ただし神様のお勤めは人間界との伝言係として行ってもらう。いいな。」
「はい。」
「あっ風神、丸太郎。」
再び古大鏡の中が切り替わる。
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