第82話  魔物が住む森

僕らは森の中に入った。タクヤが「もし魔物がでてきたらどうしよう。魔物でも鹿や熊、熊は大きいし嫌だな。可愛いウサギだったらいいな。」

レンが「何、バカなこと言ってるんだ。可愛いウサギだが魔物だ。数で攻撃されたらこわいぞ。それより力は使うけど大型の熊1頭の方がましだ。」

ミユが「そうね。ウサギは1匹だったいいけどね。数は困る。私は、鹿は足が速いけど鹿の方がましかな?走って追いつけないし、逃げれなくなるけど、熊よりパワーは劣るし、勝算ありそう。

ウサギが飛び出てきた。タクヤ、賀茂君、サラがウサギについていき消えた。

消える寸前“サラに頼んだ。”脳内で伝えた。

ミユと石丸、キリは「きゃあ!消えた。」同時に叫んだ。「どういうこと?」

僕は動揺することなく、「前に進もう。はぐれた時には、あの塔で落ち合うことになっている。心配ない。神様のサラがついている。」

3人は「トダがいうなら」納得して歩き出した。

僕は弁天に「たぶん次は弁天達の番だ。グループ内の人間が言葉にした魔物が、出てくる。

次は熊だ。頼んだ弁天。」

「そういうことね。任せて。神様の仕事はちゃんとするわ。」

少し進むと大きな熊が出てきた。

レン、キリが「ぎゃあ!」「わー!」走りだした。熊が3人を追いかける。“弁天、頼んだ。”そうして3人また消えた。

ミユが心配そうな顔で「トダと一緒だから大丈夫だと思うけど。なんでみんな消えていってるの?魔物って怖いんだけど。」

石丸ミカも少し不安げな顔だ。

「トダみんなになんかあったらどうしよう。

私のせいだ。どうしよう。私が陣地、神社を取り返して、火祭の巫女に戻りたいって欲張ったから。みんなを巻き込んでしまった。わぁーん!」気丈な石丸が突然泣き出した。

女子の涙にはどう、対処していいか分からない。

“お前は第2のはじまりの神様、トダだ。お前のできる範囲でいい。”声が聞こえた。

僕の髪が光る。

僕は石丸をなだめた。「君は悪くない。みんな自分の意思で来ている。何かあっても自己責任だ。」

ミユが「えっトダ、それだと慰めになっていない。機械的だよ。」

「機械?僕は機械じゃないよ。」

「えっ?」石丸が泣きながら笑った。ミユも笑った。

伝えた方か。

「石丸、みんなは大丈夫だ。魔物の森ではじめに口にした動物が魔物となり襲ってくる。

単なる試練だ。人間界でもそうだが、言霊だ。

こわいと口にすればこわくなる。

すべて幻だ。

次は僕らの番だ。

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