第79話 七色髪トダのメッセージ
静か空間で僕ら9人、黙ってしまった。
学食のカウンター上の時計。秒針が「えっ?」逆まわりを始めた。
ミユが指差す。「みんな見て!」
レンが「時計が逆まわりだ。さっきの公園みたいに時間が戻ってまた、俺たち小さい子供になるんじゃないか。」
タクヤが「ここにいちゃ、まずくない?出た方がいいよ。ねえ弁天ちゃん。」
賀茂君が弁天の顔をみながら「ここは大丈夫だ。公園は陣地内の対象体の時間を戻した。ここでは時間を戻すだけのようだ。カラダに変化はないはずだ。」
キリも「そうね、ここは公園と違う。あの公園は天上界の入口もある場所だから直接カラダに影響がでるけどここは違う。磁場もない。ミカあなたもそう思うでしょう。」火祭の元巫女、石丸ミカ。彼女の能力もかなり高い。「そうね、キリや賀茂の見立てに間違いない。神様の弁天、サラそれにトダもあわててない。大丈夫なんでしょうここは。」
弁天が「そう。ミカの言う通り。ここは安全よ。時間だけが戻ってる。この部屋自体がタイムマシンのようねサラ。」
「そうね。私も特にこわくないし、嫌な感じもしない。ここは大丈夫。トダはどう?」
「僕もみんなと同じさ。特に危険はないようだ。それにこの時間戻りは、この世界を造ったはじまりの神様、七色髪のトダのサインだと思う。ほら、僕の髪が七色に光りだしてきたし。」
キリが「時間が戻って私達はどうなるの?」
「僕にもわからない。しかし今は、このタイムトラベルに乗るしかない。着いた時間の向こうに答えはありそうだ。」
タクヤも「そうなんだ。じゃあ、僕もここにいるよ。弁天ちゃんと一緒に。」
ミユが「どのくらい時間が戻るんだろう。」ミカが「わからない。でも私を火祭の巫女に戻してくれるならどこでもいい。」
僕は「なんとなく、すべての謎が解けそうだ。それに”あの方”も見つかりそうだ。七色髪はじまりのトダが僕に言ってるようだ。」
逆まりの時計は止まった。窓の外の景色がすっかり変わっている。
僕らは学食の四角い部屋を出た。草原の中にこの部屋だけがポツンとある。
ミユが「きれい。」お花を摘もうとしたけど「あれ?」つかめない。弁天が手を伸ばす。花が摘めた。僕は「ここはたぶん天上界に近い曖昧な場所だ。天上界の神様には実態がつかめる。しかし、ここは残念だが人間は存在できない場所だから、触れることができない。」ミユが「トダの意地悪。これじゃ私達、幽霊みたいじゃないの。」
「そうかもな。」
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