第73話 第2はじまりのトダ覚醒
「駅前公園?そこに妖精シュウはいるのか?」
「たぶんな。八幡神社を出るところで会った。駅前公園に行くってさ。」
「何か変わったことは?」
「羽根色がグレーだった。悪い妖精シュウになってたな。」
時越のこの軽さにみんな驚いた。
サラが「時越、その悪い妖精って軽く言いすぎじゃない。悪い妖精だよ!」
キリも狐目になって怒ってる。石丸に至っては「なんで、そこで悪い妖精をつかまえなかったの?時越バカじゃないの。つかえないな。」
「待ってくれ。僕には関係ないだろう。妖精シュウが悪だろうが、良い妖精だろうが僕には関係ない。君らにとやかく言われることもない。だから、人間は面倒なんだよな。」
石丸がヒートアップで怒る。「さっきトダが時越に説明したよね。私達に悪いことをしたのは妖精シュウよ。悪い人と良い人の区別もつかないの。時越こそバカじゃない。」
ブカブカのトレーナーの袖を引っ張り。ピコピコゲームの音を止めて、
「だめだなお前達。俺様は妖精シュウを前から知っている。あいつは昔から人間が好きで人間界に入りびたりだった。見返りを求めず人間の助けをしていた。しかし怠惰な身勝手な人間に仲間の妖精を消滅させられたことで憎しみを覚えてしまった。
羽根がグレーになったとしても、俺にとっては妖精シュウはシュウさ。
やっぱり人間達は自分達の主張ばかりで身勝手な生き物だな。」
石丸が泣き出した。キリも何かに気づき深く座り込んだ。
賀茂君も、タクヤ、レンも気づいた。
時越が「レン。お前は俺様の恩人だ。お前は俺が守る。」
弁天が「時越、それはえこひいきでしょう。」
サラも「そう、神様は公平じゃないとだめだよ。」
時越が「これだからお前ら、若い神様はだめなんだよ。公平は無い。神様にも心がある。神様を特別扱いをするな。そこの人間、巫女に陰陽師、ただの高校生と同じさ。神様に期待するな。自分のことは自分で解決しろ。
それにトダ、お前は、第2のはじまりのトダだ。何をやっているんだ。七色髪のはじまりのトダは無垢で形がない存在だ。そのため我々がいる。お前、トダは何を学んできたんだ。天上界の成績が優秀でも意味はない。天上界の大鏡で人間界の人間を見守る?それが仕事ではないはずだ。今、なぜこの人間界にいるか、行かされたかを考えろ。七色髪のはじまりが第2のはじまりの現在をお前に託したんだろう。ばーか。覚醒しろ。トダ。」
「わかっている。」僕のカラダが静かに光りだす。
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