第72話 妖精シュウはどこだ
僕は時越に雨乞い祭の盃が無くなったこと、火祭の巫女石丸の陣地のことを話した。「人間界も大変だな。まあ、事件も何もない“無”の世界よりは、ましだと思うぞ。それに神堕ち愛宕と少し話したが、彼は、複雑なこの人間界、意外と気に入っているようだったけどな。愛宕も天上界でずるい神様にはめられた。」
僕は「愛宕と話したのか?妖精シュウのことは?」
「ちょっとだけさ。トダも知っているだろう。基本神様はつるまない。
しかし、愛宕は少し変わった。好きな子でもできたのか。内なる火のエネルギーの色がオレンジだったな。」
時越が石丸ミカをチラリ見た。
ミユが「ピンク色じゃないんだ。」「恋の色はオレンジだ。」
「そういえば時越、丸太郎がヨロシクだって。」
「風神か。最近会ってないな。第二のはじまりの神様、トダのお守り役って言ってたな。」
「丸太郎が?すぐに消えるし、お守り役ね?あまり役に立っていないかな。」
「そうか?」
「で話をもどすが妖精シュウの居場所思いつく所はないか。人間界で起きているヤカラを止めたい。今、霧島家の雨乞い祭の盃は戻った。火祭の巫女、石丸ミカも元の巫女に戻してやりたい。神社も山も陣地すべてだ。」
石丸も「時越、私からも頼みます。火祭を愛宕君と一緒に行いたいの。」
時越が「石丸、もし元通りにお前が巫女にもどれば、愛宕はまた天上界に戻るかもしれないがいいのか?」
「いいわよ。愛宕君は神様。出会ったときから覚悟はできている。」
サラが「石丸は強いね。私は離れたくないな。好きな人とは。」
ミユが「サラ、今の発言は良くないかも。今はサラも神様なんだから。自己犠牲で人間や他の人々のためにって言ってた方が神様的には正解かも。」
「ちっと待った。」弁天が手をあげる。「ミユ、今の意見は、いただけない。神様だからって神様の自己犠牲を強要してはいけないな。大昔からそうだけど人間はいつでも神様頼み。一方通行なんて考えは今は通用しないよ。」
ミユが固まる。「ごめん。そんなに深い意味はなかったの。そうだね、弁天も、サラもトダも神様だよね。でも中身は私達人間の高校生と変わらないしね。ほんとごめん。」
弁天が「わかってくれればいいのよ。」サラも、僕もだまって頷く。
時越が手をたたき。「はい。はい。学級会は終わりましたか?なんか、君達熱いよね。ほんと若いっていいね。トダ君。妖精シュウ、もしかしたら、駅前の公園あたりかもね。天上界入口付近。」
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