第67話 後編ダークサイドの妖精誕生
ダークサイドの妖精誕生。名前をシュウと言う。信じていたものに裏切られる。良かれと思い手伝うも意に反する結果が出て怒りをかう。本人たちの所業はどこかに置いて別の誰かの仕業にして攻撃する。”最低だ。人間め。”妖精シュウの心に闇がかかる。初代サカキの羽根は七色だった。昨日までの妖精シュウの羽根も七色だった。しかし今日は羽根があるが光らない。ダークサイドに落ちた妖精。
僕は同じく宙に浮き地上を傍観する。
昨日のカラスが妖精シュウに話しかける。「シュウ、これでわかっただろう。人間は愚かでわがままだ。自分たちのことしか考えない。実りの収穫を我々に分け与えようとせずにとり尽くす。たまに良い人間が少しだけ実をのこして行くが基本わがままな生命体だ。たぶん50億年後の未来でも同じように人間達のわがままな行いは変らないだろう。」
地上のカラスが宙を仰ぎ見える。見えないはずのない僕を見た気がした。
カラスは続ける「どうして七色髪のはじまりの神様トダは人間を神様と同じ形にしたのだろう。姿形は似て非なる者たち。何か意味があるのか?まあ、いい。妖精シュウよ。お前はダークサイドに落ちた妖精だ。私はお前の友達だ。これから先、私もお前と同じダークサイド側の存在となることにしよう。」
シュウが「カラス、なぜそこまで僕に付き合うんだ。今の僕は仲間の妖精を消滅させた人間を憎んでいる。ダークだぞ。」
カラスは「それは知っている。お前の心が闇落ちしたことも知っている。這い上がれないことも知っている。だか俺は昨日までお前がいい奴だったことも知っている。
妖精シュウはシュウさ。」
「なんだそれ。」闇落ちしたダークサイドの妖精シュウが笑う。
その後、現在までカラスは人間から意味もなく嫌われるようになる。
カラスがまた宙を仰ぎ僕を見た。今度は目が合った。
これがダークサイド妖精シュウとカラスの誕生だ。そしてこれが彼らの人間を憎み続けるスタートだった。
僕は本を閉じた。
時計を見た。2:05。遅い時間だ。僕は本の中で時空移動したため、カラダに負担がかかったようだ。カラダが重い。それに天上界の本はやはりあるべき場所、天上界で読むべきだった。
”あるべきものはあるべき場所で。”当たり前のことを時々僕は忘れがちだ。天上界と人間界を行き来できる今の状況。行動、言動、今一度、確認し、丁寧に人間界で過ごさなければ、僕も落ちかねない。
カラスの目が頭に浮かぶ。
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