第60話 戻るぞ・現在へ
僕は初代サカキに「悪の妖精は現在にいると時越え鳥から聞いたんですね。
すぐに現在に。未来に戻らなくてはいけない。」
サラが「トダそうね。雨乞い祭の巫女、キリや火祭の石丸ミカ、愛宕や他のみんなも巻き込んでいるかもしれない。」
「そうだな。」みんな、うなずく。
氷川が七色髪のトダに「はじまりのトダ様、教えてください。初代サカキさんは良い妖精です。妖精の羽根が七色に輝くのはトダ様の髪の色。それはあなたの力を持っているってことですか?」
「そうだ。私が与えたのは初代サカキだけだ。私の創生主としての力で”七色に輝きを放ち、色で思考を錯乱させる。簡単に言えば自分の言うことをきかせる力だ。良く使うか悪く使うかはその妖精次第だ。」
氷川が「教えてくださりありがとうございます。妖精についての天上界での教科書では精霊と違い妖精は”悪いもと”と記述がありました。本当は二面性を持っているのですね。」
「そうだ。生命体は二面性を持つように造った。しかし、私と未来の僕、トダは一面性しか持ちえないようだ。僕らは”そういう存在だ。”」
僕は僕の説明に納得した。
弁天が「氷川、今の説明で何か分かったのか?」
「あー、わかったよ。」
サラが「少し抽象的だけど。」
氷川が「大丈夫さ。僕らは自信をもってトダについていくぞ。トダはゆるぎない。」
丸太郎が「ポン」っと僕の頭に乗った。「帰るぞ。」
僕は七色髪のトダに「僕は未来に帰る。会えて良かった。」
「僕もだよ。僕は、このままでいいんだよな未来のトダ。」
「そうだ。そのままでいい。そのまま僕につながっている。」
七色髪のトダが子供みたいな大きな笑顔をみせた。
僕は初代サカキに「はじまりのトダを僕をお願いします。」
「心配はいりません。私がついています。それより先ほどの、時越え鳥ですがその鳥は名前の通り時空を自由に飛び回ります。もちろん七色髪のトダ様が造られた鳥です。鳥は話すこともできます。鳥は昼間は飛びません。夜のみに飛びます。月明かりに照らされ七色の光を放ちながら。未来のトダ様なら見つけられますよ。」
「初代サカキさん、情報をありがとうございます。それから、ごめんなさい。あなたを悪い人、あの方と結びつけていました。あなたは良い妖精です。どこかの時点で何か妖精種族に異変があったのかしれません。”はじまりの妖精は良い妖精です。”心に刻みます。では。」
僕は僕にしっかりと抱き合い「また。」
僕らは現在へ。
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