第56話 偽のはじまりの神様トダ

初代サカキの話をみんな受け入れた。

「この世界の始まり。それは無から生まれた。

1つの玉。その玉は青く緑色に輝いた。

その玉はトダと呼ばれた。」

「トダ?」僕は自分の名を口にした。

その玉は日々大きくなりその中に核となる生命体の姿が現れた。

そしてある雨の日、トダ玉は割れた。実体化した人型のトダはこの無の地上に1人。

時が流れ、トダの脳が1人遊びを始める。脳内で描いた絵。形が実体化する。緑の生い茂る木を脳内に描くと木ができ森ができた。空を青く白い雲。広い空に白い雲が現れた。羽根の鳥も飛ばす。水の大きなかたまり。池ができ湖、海ができた。動物たち。トダが想像した絵が次々と形になっていく。口にした言葉も言霊によって実体化した。」

サラが「なんだか、オカルト的な話で嘘っぽい。」

僕も「そうだな。自分の話だが、すべて信じるのもどうかな。」

氷川も「そうだな。こんなに詳細に話されると逆に嘘にしか聞こえる。」

初代サカキが「君達も疑り深いな。じゃ、トダに会いに行くかい。」

向かう途中、弁天が「あのサカキ、自体怪しくないか?」

氷川が「そうだ。僕もそう感じている。僕に似てるって弁天、トダ言ってたな。訂正してくれ。」

「はーい。」

前を歩く初代サカキとサカキ後ろ姿を見て?違う初代サカキの背中に羽根?が見えた。初代サカキは人型の神様ではない。たぶん悪い妖精が化けている。

気づいたのは僕だけか。まあ、しばらくだまされたふりをしよう。

それに”はじまりのトダ”自分にもあってみたいしな。

「着きましたよ。」目の前に大きな白い神殿がある。想像と少し、違うな。

僕らは中に入った結界が張られていた。軽い電磁波がカラダに走る。逃げれない。

相手の陣地だ。

「トダ様。未来の方々をお連れしました。」

「白い衣を着た。髪が七色に光る僕が、そこにいた。」

サラが「ほんとトダ、君とそっくり。」

「みなさん、よくお越しくださいました。私がはじまりのトダです。」

サラが「トダさん、私達は未来から来ました。これでも神様候補生の一人です。

今、未来の世界で、神様の使え人達が困っています。雨乞い祭の霧島家。火祭の神、愛宕と剥奪された火祭の巫女、石丸家。そして八幡神社の狸の獣。

陣地や大切なものを奪われています。

推測ですが羽根のある妖精が関わっているようです。妖精とそれを操っている

”あの方”を探しに来たのです。教えてください。」

僕は僕の前に出て「あの方はどこにいますか?」


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