第47話 妖精が人間界を支配
「緑の精霊?妖精のこと?」ミユが聞く。
えべっさんが「精霊は形が無い。妖精は形がある。石丸、君はどちらかを見たことがあるかい?」
「たぶん、羽根があったから妖精かな?一回だけある。愛宕君の神社で毎朝掃き掃除をしていたのその時に見たの。秋の落ち葉が多くて思わず”大変だ”って愚痴をこぼしたの。そしたら落ち葉の中から緑の小さな妖精さんがでてきて、トンボみたいな透明の羽根を鳴らしながら私の周りをまわったの。そして”君はいいよね。人間で。この落ち葉を掃くだけ。僕はこの落ち葉の命の根のもっと奥にあるエネルギーの泉の番人。僕が見はりを怠ると木は、枯れて君がはいている落ち葉さえできなくなり、木はなくなってしまう。それも一つの木だけじゃなくて全部だ。君は小さな仕事で愚痴をこぼすなんてだめな人間だな。”って偉そうに言ったの。すると大きな風が吹き、集めた落ち葉が舞い上がり散らばった。”妖精のばか。”怒った私はほうきを投げた。ほうきは妖精に直撃、羽根が一枚ちぎれた。家からおばあさんが私を呼んだの。私は悪いことをしたと思いながらそのままほっといてしまったの。そのあと、少し気になったけど、今まで忘れていたわ。」
サラが少しひいた。顔が怒っている。「石丸、どうしてすぐ助けなかったの?羽根の傷も手当しなかったの?」
石丸が「だって、そんなにたいしたことないって思ったし、おばあさんに呼ばれたし。それに、あの妖精は私に意地悪をいったのよ。私はわざとほうきを当てたわけじゃない。どうして私が責められないといかないの。そんなに悪いことを私はしてない。」石丸の動機が激しい。
えべっさんが「そうだね。石丸。君は悪いことはしていない。たまたま、そうなっただけだよね。」
石丸の激しい動機が少しおさまる。
えべっさんが「いくら石丸が火祭の巫女だとしてもやはり人間だ。人間の普通の女子がこのような場面にあった場合、10人中9人は石丸と同じ行動をとると思うよ。石丸、君の行動は悪くない。ただ相手が悪かっただけさ。」
僕も思った。相手が悪かっただけ。相手は妖精だ。
タクヤが「どういうこと?」
弁天が「相手が妖精。妖精は神様でも人間でもない。一番厄介な存在だ。怒らせると、根にもつ。下手をすると人間の命さえ奪ってしまう。妖精は見かけと違い悪魔に近い。鬼だ。それから逃げることは難しい。」
僕はキリを見た「キリ、君も妖精にあったかい?」キリが頷く。
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