第43話 火祭巫女・石丸の反乱

ミカは両手でテーブルを叩いた。「バーン」音がコンクリートの壁に冷たく響く。と同時に石丸のカラダが青い炎に包まれ手には雨乞い祭の盃が現れる。

キリが石丸に飛びつく。まるで獣のようだ。

「いけない。キリは憑依されている。」

僕は叫んだ。

「賀茂、鈴だ。先生の鈴を鳴らせ。」

「シャリンー」キリが「バタン」倒れる。

「面白くないな。キリにはもっと苦しんでもらわないと。」

ミユがキリのところへ。

弁天が「さっきの鈴の音でつきものは去ったようね。」

石丸は「あら残念。もっと、あさましいキリの姿が見たかったのになあ。ねえ、愛宕君。」

愛宕が「そうだな。キリは眠っているようだ。少し、僕が話そう。ずっと昔の話だ。みんなが生まれる前のことだ。この土地は元々、火の神様の土地だった。この小さき山は木々が緑に生い茂り美しい緑が取り巻く火の神様の陣地。火の神様、天上界と人間界をつなぐ神聖な場所だ。ある祭りの日、火事がおきた。その人間はこの火の神社に熱心にお参りしていた人間だった。助けてあげようとした神様。その時ちょうど祭りに来ていた水系の霧島家の巫女を見つけた。火の神様は、今すぐ水が必要だと

”神様から人間の巫女にお願いした。”

その巫女は見返りとして神社横に池を造るようにと言った。火の神様は火に逃げ惑う人間を早く救いたく承諾した。そのあとすぐに空から雨乞いのような滝のような雨が降り火事は鎮火した。そして次の日、ここに池ができた。」

弁天が「愛宕、お前の話だな。天上界の

火の神様。正確には元だ。神堕ち火の神、愛宕一郎だ。」

僕も愛宕自身のことだと思った。

愛宕は「弁天その通りだ。だが話には続きがある。

霧島家から正式にこの地を半分使わせて欲しいとの申出があった。神社の建立だ。

火事の雨乞い以来、ここの池は雨が降る度に形が変わり、巨大化していった。」

弁天が「これは私の推測だ。愛宕、それに火祭の巫女、石丸家は建立を拒んだ。その結果、

愛宕の神社を消し、池も埋め全ての力を無力化した。

それを霧島家がやった。その復讐で雨乞い祭の盃を盗んだんだってとこか。」

「その通りだ。」

石丸も「雨乞い祭の盃を失くしてしまえば霧島家も私の石丸家同様に消滅すると霧島先生に言われた。」

賀茂君が「霧島先生が?」

「そうだ。」

「霧島先生がなぜ?自身の神社の大切な雨乞い祭の盃を盗んだんだ?」

キリが起きた。「私が話すわ。

姉、ユイは誰かに騙されているのよ。」

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