第41話 池の宮さん
僕らは長い石段を登った。霧島先生のことを考える。愛宕を敵だと認識。
僕と賀茂君を職員室まで呼び出した先生。
先生が手引き?先生がヤカラ達が言う
”あの方“なのか?
僕らは石段を登りきった。
目の前の表札は石丸。
式神が示した。「ここだ。」賀茂君が言う。
サラが「石丸?誰?」
「僕のクラス、愛宕の取り巻きの1人だ。」
レンが「トダ、どんな奴なんだ。」
「女子だ。話したことはないし、よく知らない。」
「賀茂君は?石丸知ってる?」
「あ、知っているさ。石丸も以前は我々と同じ、天上界と通じる巫女の家系だ。名前とは離れるが火祭の巫女だった。しかし先代で絶えたと聞いている。キリ、同じ巫女仲間でお前のほうが詳しいよな。」
キリが少し、嫌そうな顔つきで「そうね。知っているわ。賀茂君が言う通り、3年前に石丸ミカのおばあさんが亡くなったの。そのあとミカが巫女を引き継ごうとしたけど、才がなかった。天上界からの伝達事項も伝わらず、結局廃業したって聞いていたけど。」
弁天が「しかし、それにしてもこの家はとても冷たいな。廃業となったとはいえ、火祭だ。火の神様との縁つながりとは思えない。まるで真逆だ。どちらかと言うと霧島家に近い水系みたい。」
「弁天、それ以上憶測で言わないで。」めずらしくキリの口調がキツイ。
僕は「どうした、キリ、冷静な君にしては珍しいな。」
ミユ、サラも心配そうだった。
「言いたくなかったんだけど、私、石丸ミカにひどいことを言ってしまったの。おばあさんが亡くなって、ご両親は海外赴任中。それに元々ミカの母親は才がなかった。継ぐのは当然ミカだった。でも残念なことにミカにも才がなかった。ミカが必死で天上界の火の神様達と縁をつなごうとしていたのに私は。言ってはいけないことを言ってしまったの。”才が無いなら、巫女なんてできない。早くやめてしまえばいいのに”って。」
サラが「頑張ってる人に、そんなきついこと、いつものキリなら言わない。何か理由があったんでしょう?」
「それは...」
「ギーッ」玄関のドアが開く。玄関につくり笑顔の愛宕と石丸さんが立っている。
「人の家の目の前で、私の話、勝手にしないでくれる。キリ。」石丸さんがきつく言った。
愛宕が「トダ君、たくさんのお供をお連れで。僕に用事があるのだったらどうぞ。僕は逃げも隠れもしないよ。中へどうぞ。」
外観のおしゃれなコンクリ―トー打ちっ放しデザイナーの家に僕らは招かれた。
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