第38話  雨乞い祭の盃・奪還作戦

「トダ覚醒しろよ。」誰かの声が聞こえた。

しかしその声はキリの携帯音でかき消された。

「もしもし、うん。大丈夫。分かった。」

ミユが「キリ、電話は?」

「姉さんから。今日の集合を心配しているようで。」

「だよね。秘密だもんね。盗まれたことも、これから盗むことも。」

タクヤが弁天の横にピタリ。

「ところで賀茂君、君は弁天ちゃんの何?」

弁天が「はあ?タクヤ何言ってるんだ。私は陰陽師の賀茂を信用していない。敵視してるくらいだ。」

タクヤの疑いの目が光。レンが「タクヤって小さい頃から、そういう感だけは当たるんだよな。特に自分の好きなものにたいしては。」

サラが「そうだったけ?でも今はそんなの関係ないよ。全員参加で巫女キリの雨乞い祭の盃を奪還するのよ。そうでしょう。」

レンが「そうだ。タクヤ、恋愛は後にしろ。」

「えっー」ふざけている2人をさておき

僕は冷静に「まずは作戦だ。」

テーブルについた。

僕はキリに「盃は何処にしまっていたの?」

キリが天上をさした。壁のボタンを押す。

天上から小さな神殿神棚が現れた。と同時に四方から突起が現れ結界をつくった。

家の中に神社が。

レンとタクヤが「何事?えっ?」

僕らは結界の中にいる。

弁天が「空気感が天上界と繋がっているようだ。」「そうだな。」

賀茂君がこの結界内は神聖な場所だ。邪悪な心があれば息ができず苦しむ。タクヤ君、きみはかろうじて大丈夫のようだな。」

弁天が「やめろ賀茂。」

「そうだな。今は、やめておく。」

「2人ともやめてくれ。本題に入る。

キリこの神棚の所在は君以外誰が知っている?」

「姉と賀茂君。あと風神様。」

「他には?両親も知らない。」

「霧島先生に変わった行動は?」

サラが「トダ、何言っているの?」

「確かめた、だけさ。」

言いいにくそうに「一度、姉が愛宕を連れて来たの。チラリ見たけど、転校生だと。家まで生徒が来るのは珍しいと思ったけど、特に気に止めなかったの。」

「愛宕は来ていたんだな。」賀茂君が言う。

この霧島家には神様がらみで陰陽師としての付き合いがある。神棚の一角に僕の名もある。

ちょうど愛宕が転校生として来た頃に式神が消えた。何か霧島家に変化があったのか調べた。

式神は火によって消されていた。愛宕だと確信した。霧島先生が黙っていたことに違和感を感じるな。」

みんなは黙った。

僕は「キリ、正直に全て話しくれ。」キリの目をみた。

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