第37話  巫女・霧島家へ集合

僕らはヒイラギさんの“頑張ったね”の言葉で救われた。思った数字に結びつかなくても、今じゃなくても。ここじゃなくても。大丈夫。

自分自身が自分に納得するのであれば、通知表は関係ない。

「だね。」サラと弁天、氷川がハモる。

「みんな天上界のリズムに乗り出したようだ。

サラもリズムに乗れているね。これで天上界をへ行っても大丈夫よ。」

「おばあちゃん、私人間界から離れたくないんだけど。」

「サラは早とちりだね。神様の最終試験が天上界であるからよ。カラダを慣らしておかないとね。氷川君、頼みますよね。」「はい。」

ヒイラギさんが氷川に頼んだことに、嫉妬してしまった。

「コツン。」丸太郎のゲンコツが僕の頭に

「トダ、小さなことを気にするな。」

ヒイラギさんが「これは、風神様、ご相談しようと思っていたんです。雨乞い祭の盃の盗難の件。」

丸太郎が「聞いている。巫女の霧島家から盗まれたようだ。明日トダ達が取り返すつもりだ。今回は彼らに任せようと思っている。神様試験も兼ねているし、神堕ちと戦うのもいい勉強だ。」

「そうですね。」ヒイラギさんがお茶を一服。

丸太郎も氷川も一服。

氷川が立ち上がり「僕は時間です。天上界へ戻ります。みんな頑張ってください。」

「弁天様に任せなさい!大丈夫だ。」

「頼もしいな。僕も天上界の大鏡で見守っています。ほんとに危険な時は鈴を鳴らしてください。じゃ。」モクモク雲の中へ氷川は帰った。

翌朝、僕らは霧島家に集合。

「ピンポン」ベル鳴らす。

「はーい。」キリではない。霧島先生の声。

先生だ。

「諸君今日は我が家の、無くしもの探しに来てくれてありがとう。」

言葉と裏腹に先生の目が冷たく氷のようだ。

先生は用事があるとそのまま出かけた。

と同時にキリが玄関へ。

「おはようみんな。来てくれてありがとう。」

「お邪魔します。」僕らは家の中へ。

想像と違いキリの家は以外にも洋館だった。

僕らは1階の広い応接間に。

「ピンポン」賀茂君が来た。

「キリが呼んだの?」

「いいえ。弁天が呼んだのよ。」

「弁天、君は賀茂君のこと信用していなかったんじゃないのか?」

賀茂君がチラリ弁天を見た。

弁天は「トダ、神様は人間界では不自由だ。普通は天上界の大鏡を通して、天罰を下せる。しかし、ここは人間界だ。人間の陰陽師と巫女の力が必要だ。

それに神堕ちの愛宕は人間界に長い。人間界の陰陽師の封印が必要だ。神様の威厳にかけて雨乞い祭の盃を奪い返す。そのためだ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る