第34話 期末テスト・下僕免除
数学のテスト日がやって来た。2ーCの僕は一限目が数学だ。チャイム5分前、丸太郎と,えべっさんが僕のところにきた。「ミユのためにテストがんばれトダ。」
丸太郎は「天上界のテストに比べると大したことないぞ。八幡の“縛り事”赤点に惑わされるな。縛り事があると文字が浮いて泳ぎやすい。文字が泳ぎ出したらこう唱えろ。
“縛り事には従わず。我が道進む。”と。浮いた文字に従わないと言葉で伝える事が大事だ。じゃあな、トダ。」丸太郎とえべっさんは1–A に行くと消えた。
チャイムが鳴る。八幡先生が教室に。
試験開始。「コツコツ」答案に記入するペンの音が響く。丸太郎の言ってた通り問題用紙の文字が浮き出してきた。
僕は唱えた。“縛り事には従わず。我が道進む。”
「ピューッ」と僕に風が吹いた。『誰に、教わりましたか?』低い小さな声が聞こえた。僕はもう一度“縛り事には従わず。我が道進む。”唱えた。
八幡先生が急に立ち上がり「少し席を外します。カンニングはしないように。」と教室を出た。
僕は先生の出て行ったあと、
問題用紙の文字の浮きは、おさまり、問題をすらすら解きだした。ミユに習ったところが出た。ミユ、えべっさんありがとう。これで赤点とらずに済みそうだ。
しばらくして先生はもどってきた。
サラ達も頑張ってほしい。確か3時間目だったかな。昼休みに結果を聞くことにしよう。チャイムが鳴る。「答案用紙、後ろから集めてください。」先生が叫ぶ。
そして無事に期末テスト数学が終了。休み時間を挟み世界史、化学とテストは続いた。
脳内が少しオーバーヒート気味だ。昼のチャイム。僕は学食へ走る。今日は僕が一番乗りだ。みんなの席も確保。
「おーい、トダどうだった?」サラが聞く。ざわざわ続いてみんなも一緒だ。
「何とか、赤点は免れそうだ。」
ミユが「やっぱり教えた先生が良かったのよね。トダ。天才ミユ先生だものね。」
キリが笑う「ミユ、それ自分で言うの?」
「そうよ。いいの、私は天才!」
レンが「でも、ミユ助かったぜ。余裕で赤点免れそう。」
タクヤが「まさかの満点かもしれない。」
サラが「タクヤほんと?私はギリギリセーフかな。」
弁天が「全員赤点クリアして、下僕回避だな。」
「ポン。」丸太郎とえべっさんが現れた。
丸太郎が「みんな、よくやったな。だが次からは安易に返事の”はい”はするなよ。」
みんな一斉に「はい。」丸太郎がトホホホホーと僕の肩に沈み込む。
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