第33話 えべっさんはイケメン
ミユの部屋に入った、さすがお金持ち。広い部屋にお姫様のようなベット。
「さすが。」サラが言う。
レンやタクヤが「女子の部屋初めて。すごー。」テンションが高い。
サラが「レン、女子の部屋って家、来たことあったよね。」怒って言う。
レンが「あれ、小学生の頃だろう。」
「小学生でも、女子は女子よ。」
ミユが「ケンカしない。お茶とお菓子どうぞ。」
「ありがとう。」「いただきまーす。」
ザーっ雨だ!めずらしく大粒の雨が降ってきた。
「夏前なのに今年は雨の日が少ないな。」レンが言う。
「そうね。」サラも答える。「私、雨の日好きなんだよね。集中できるし。雨の音いいよね。」
レンとタクヤは茶化す。「水たまりの中でじゃぶじゃぶ楽しいよな。」
「そう。そう。」
ミユは雨を見ながら「そうね。」曖昧な返事。
僕はミユに「数学教えてくれる。」
「そうね。始めようか。」「はーい。」みんな真剣だ。下僕はごめんだ。
ミユはわかりやすく教えてくれた。みんな問題が解け出してきた。
僕に至っては”あれ僕、数学好き?頭いい?
丸太郎が「この家は恵比寿の念で守れれているからな。」
「恵比寿様?」
「そうだ。特に、このミユの部屋には特別な恵比寿の思いがある。
ミユが喜ぶようにとの思いがな。」
「次神の僕が言うのも変だけど、神様は魔法をつかえるの?」
「まあー、そんな感じだ。」
「丸ちゃん、それほんと。」ミユが丸太郎を捕まえる。
「みんなにも聞いてほしいんだけど、さっき庭でえべっさんの話したでしょう。えべっさんと最近会えなくなったの。」
僕は「ケンカでもしたの?」
「してない。ただこの間べっさんの衣替えがあったの。」
「衣替え?なんだそれ?」
「二至二分、夏至と冬至に衣の色の塗り直しの行事のこと。両親の代わりに私が1
人でやっちゃったの。形式だけなのに調子に乗ってメークまでしてしまって。それから、えべっさんと会えなくなって。」
丸太郎が「ふーん、そういうことか、出てこい恵比寿。」
「えーっ、超イケメン!!」
「僕が恵比寿です。ヨロシク。」
「どういうこと?えべっさんの姿が変わってる。」
丸太郎が「ミユの思いが恵比寿の姿に投影されただけだ。人間界の神様は愛されている人間の心が形を作る。同じ恵比寿でもミユの両親からは太ったお金持ちのおじさんに見えるかもしれない。形あるものは願う人間によって形はかわる。形のない善や悪もそうだ。すべて、こっち側しだいだ。」
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