第31話  神様は期末テスト・赤点無理

学食で僕らは愛宕に罠を仕掛ける相談していた。ザワザワ生徒達の雑音に紛れて

「させない。」

気づけないくらいの音を僕は拾った。

「おーい、食べているか?トダ、お前の弁当は美味しいそうだな。」

数学の八幡先生がトレーを持って、僕らのテーブル前に立った。

僕の代わりにサラが答える。

「先生、見て見てトダ、兄貴と一緒よ。おばあちゃんが、作ってくれたの。先生、タコのマリネ最高よ。食べてみる?先生、あーん。」

八幡先生がマリネを避けた。たぶん先生は酢が苦手のようだ。

「天野,大丈夫だ。先生は、ほら、大盛り天丼だ。」先生は続けて

「来週から期末テストだ。赤点とった奴は補習だぞ。」

弁天、キリ以外は「はーい。」僕も返事をしてしまった。弁天が僕を睨んだが、返事した後だった。「八幡先生、食べますよ。こっちですよ。」先生達から呼ばれて八幡先生は離れた。

賀茂君が息を切らしてかけてきた「トダ、お前は。だからお前のような、まぬけが次神、神様になるかと思うとやっぱ、無理かも。」

弁天が賀茂にかみつく。冷静な賀茂は「弁天、ヤカラに悟られる。結界を張れ。」

悔しいが賀茂の判断は正し。「トダ、サラ、鈴を。」弁天3人の次神の鈴で結界が張られた。賀茂が安心した表情をしたがすぐ豹変「トダ、お前はなんで返事をしたんだ。八幡に何か感じなかったか。違和感は?お前はそれでも次神か。」

そういえば清水さんも八幡先生に気をつけてと。

サラを含めみんな、あっけにとられている。

賀茂が弁天に「弁天お前がいながら、何やっているんだ。トダ、返事したぞ。トダ、絶対赤点とるなよ。とった時点でお前は八幡の下僕となり果てるぞ。」

「えっ?下僕?」

「おめでたいな、トダ。人間界はサバイバル地帯だ。お前らのような、神様に、俺やキリ、お前のような神様付の巫女。そしてヤカラだ。覚えとけ。」

いつも穏やかな口調の賀茂君の口が悪い。 「賀茂君そんない、言わなくても。」

弁天が「私は賀茂が嫌いだが。賀茂はお前、トダを心配していることだけは間違いないぞ。」

トダのポケットから3枚目の式神が落ちる。

賀茂君は「トダ、式神の消費が早い。とりあえず、」と4枚目の式神と僕に渡した。「あ、ありがとう。」

「八幡には気をつけろ。」そう言って「弁天、結界を解け。」賀茂君は学食を出た。

僕はみんなを見渡して、「誰か数学教えてください。」僕、次神トダは数学が苦手だった。赤点だけは無理。絶対取れないよー。

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