第30話 人間界・人間レンとタクヤ覚醒

チャイムと同時に自習時間終了。昼だ。抜け殻の紙屋さんが気になる。

賀茂君の銀色の瞳が輝く「今は接触するな。」と僕を止めた。

式神で救ってくれた賀茂君。ここは従おう。

「学食行くけど、賀茂君一緒にどう?」

「僕はいい。弁天も一緒?」

「他の仲間とみんな一緒だよ。どう?」

「やめとく。」片手を上げ賀茂君は教室を出た。僕は階段を降り中階段。生徒で混み合う。1Fの廊下にレンとタクヤが見えた。上から声をかける。階段は狭い。

次の瞬間、女子が押されて階段から落ちそうにスローモーションのように僕の真横を落ちて行く。レンが叫ぶ「危ない。止まれ。」

落ちて行く女子が一瞬止まる。

僕は手を伸ばした。女子は、元の位置に戻る。後ろの友達の女子が何事もなかったように階段を降りて行く。視線を感じる上を見た。

愛宕一郎がいた。僕をにらみつける。

愛宕は僕の脳内に干渉する。『偉いな神様トダ君。君は人間を仲間に、手下にしたようだな。』

僕が振り返ると階段上に愛宕の姿はなかった。

僕は階段を降りた。レンが固まっていた。

タクヤもボー然としている。

「見たよな。トダ。レンが叫んだら落ちかけた女子が戻った。これって?」

2人は高揚していた。

僕は「とりあえず、みんなのところへ行こう。」

レンとタクヤの肩を押した。

僕らは学食へ。サラ達女子4人はいた。さっきまでボー然としていたタクヤは走り弁天横の席をゲット。

タクヤは弁天のことほんと好きなんだな。

レンと僕がゆっくりテーブルに。

レンが「トダ、さっきの見たよな。」

「うん。見た。レンが叫んで女子を助けた。」 

サラが「えっ?どういうこと?」

「階段を落ちかけた女子がいて、レンが止まれって叫んだら落ちかけたその子が、もとの階段の位置に戻った。他の子たちと何事もなかったように階段を降りて行ったんだ。」

タクヤが「僕も驚いてカラダが動かなかったよ。レンすごい。まるで神様みたいだった。」

ミユが「レンも実は神様だったりして?」

レンが「それはないわ。完全俺は人間だ。」「じゃあ、どういうこと?」

弁天が言いかけ、キリが「私が説明するわ。同じ人間だしね。私は巫女、神様に仕える。陰陽師も同じよ。神様に近い私達は、良い行いをするときは神がかりの力が使える。レンは今、私達と同じ立場。もちろん、ミユ、タクヤも使える力よ。」

ミユが「うれしいけど、ちっとこわいかな。」

タクヤは「早く使いたい。」

弁天が「焦るな、覚醒はすぐだ。」


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