第28話 陰陽師と次神と神堕ち愛宕
翌日、いつも通りに登校。通学途中に男子から弁天が告白される。「ごめんなさい。」丁寧にお断りはいいが、時に「無理。」
バッサリ一言。
サラが「弁天って、天上界でもモテてたの?」
「よく知らない。違うと思うよ。」
「へーえ。」
「トダは弁天のこと美人だと思う?
弁天のこと好き?」
「弁天とは気が合うし好きだよ。でも美人?とは思わない。美人は“おかめ”だけでしょ。」
サラの頭の中が混乱する。
「ドーン。」レンがわざとぶつかる。
「おーはー。」
タクヤが「弁天ちゃん今日も美人さんだよね。」
「はいはいありがと。タクヤ。」
「弁天ちゃんが名前呼んでくれた。」
「弁天ちゃんー」手を出し「バッチーン」
カバンで殴られる。
ふざけながら、僕らは学校へ着いた。
校門で賀茂君と並んだ。白い式神を3枚スーッと僕のポケットに。
「何これ?」
「特に意味はない。」
えっ?
あとで高額請求が来るかも?でも、まいいか。
と素直な僕はそのままポケットに入れた。
「おはよう。」2ーCの教室に入る。
愛宕の周りには女子達が取り巻いてる。
さすがに薪さんは?「薪さんの席に別の子が?」「えっ?紙屋さんが座っている。」
女子に聞く。
「薪さんは?」
「えっ?そんな子、クラスにいないよ。大丈夫、転入生のトダ君。」
「はーあ。」ヤカラの清水さんの時と同じだ。不都合のことが起きるとこの世界、人間界では”最初からなかったことなる。
”それは、だめだ。だめだ。“
「どうした?トダ君。」賀茂君が意味ありげな目で僕を見る。
1限目移動教室化学だ。
「今日の授業は爆破とまでいかないが、電源ショートの実験だ。日常で役に立つぞ。」
この手の危険な授業はみんなザワつく。
「はい、グループに。」
愛宕は女子3人と。僕は賀茂君と他男子2人。「このコードを…」先生が説明を始める。「ドーン!」大きな音。愛宕の席の紙屋さんが燃えている。その火は実験室中に飛んだ。みんなの机の教材が燃え出した。実験室はパニックだ。紙屋さんの火を消さないと。炎が紙屋さんを覆っている。誰も見えていないのか。机の火を消すのにみんな必死だ。
“助けないと”僕は炎の中、手を伸ばした。
火が僕に移り。次の瞬間、ポケットの式神が僕を覆う。
先生達が職員室から駆けつけ炎は消えた。
紙屋さんを見た。外傷はない。しかし目が目が死人だ。僕は愛宕のシャツをつかみ上げ。
「愛宕、何をした。」
「僕は何も。紙屋さんが勝手に燃えて僕の供物になっただけさ。」
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