第27話 人間界の神様一服の会
ヒイラギさんがお茶を飲みながら「トダ君、賀茂君はどうだった?仲良くなれそう?」
嘘のつけない僕は「性格は合いません。が賀茂君の冷静さ、仕事ぶり、現実的考え方には学ぶべき価値があります。まずは彼と同じ行動をとってみようと思います。」
「そうね、いい考えだと思います。共感ですね。ですがトダ君、君は天上界の神様。賀茂君は人間界の陰陽師。お互いの陣地は超えてはいけません。これだけは覚えていてください。」
サラが「おばあちゃん、なんだか口調が先生みたい。ここは学校じゃないよ。」
「あら、ごめんなさい。つい。じゃあ、夕食の支度をしましょうかね。氷川君はゆっくりしていってね。」
「ありがとうございます。ですが僕も時間です。また来ます。」氷川君はモクモクと雲の中に消えた。
「弁天、賀茂君を知ってるの?」
「成就祭でね。」
「成就祭?」
「トダに言ってなかったけど、私、おばあちゃんの代わりに時々、人間界の
神社の手伝いに来てたの。
成就祭は人間の願い事を聞く仕事。”言霊”と呼ばれる塊がある。
その言霊を仕分けして天上界へ伝達。人間界での仕事よ。当然、陰陽師や巫女もいる。言霊の中には呪いのようなものもある。その呪いの言霊を祓うのを邪魔していたのが賀茂だ。」
「邪魔を?」
「賀茂は陰陽師だ。我々の手伝いをするのが本来の彼の役目だ。しかし彼は対価をもらい天上界の意に反することを時々する。彼は人間だから仕方ない。大目に見ていたが、最近は露骨だ。式神を使い邪魔をする。彼は自分以外は信じていないようだ。この間も悪しき恋愛の言霊を祓う最中に邪魔をされた。悔しいが賀茂の力は強い。」
ヒイラギさんがもどってきて「賀茂君はほんとは良い陰陽師ですよ。話しはそれくらいにして、台所へご飯ができましたよ。」
「はーい。」
サラが「おばあちゃん、賀茂君を知ってるの?」
「知っているわ。サラのおじいさん、正八さんと賀茂君のおじいさんは仲が良くてね、小さい頃に抱かれた賀茂君に一度だけ会ったの。銀色に輝くとても澄んだ目だった。利発そうな子で一目で力が強い子ってわかったわ。」
「そうなんだ。」
弁天が「力があるのは認めますが、あの性格と超が付く、くらいの現実思考、
受け入れません。彼が人間なんだと逆に強く思いしらされます。」
ヒイラギさんが「弁天、それでいいのよ。賀茂君は陰陽師。多少お金に執着していていいのよ。だって賀茂は陰陽師の前に人間なんだからね。」
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