第25話 巫女霧島ユイ
放課後、賀茂君と僕は職員室奥の面談室に行った。
「ガチャン」先生だ。
「賀茂、薪の件、助かった。礼を言う。
しかし、お前は礼よりこっちだな。対価は学食券でどうだ。」
賀茂君は受け取った。
「成立。」
賀茂君が「先生、僕はトダ君、嫌いです。」
「えっ。」直球すぎる。
「おいおい、賀茂、トダはまだ何も知らない次神だぞ。これからだ。」
「先生、甘いですね。彼のような無能な神様が僕らの頭の上にいるかと思うと残念です。天上界には失望です。愛宕のような神堕ちのヤカラの方がまだましだと。」
先生が人差し指と中指を真っ直ぐ立てて呪文を唱えた。
「いたい。」うずくまる賀茂君。「すいません。言いすぎました。」
「よし。」術が解かれる。
「トダ、おまえには人間界の勉強が必要だ。賀茂と友達になれ。」
僕より先に賀茂君が「はあ、ありえない。無理です。」即答。
「賀茂、おまえに聞いていない。トダ、できるか。できるな。」先生の圧。
真面目な僕は「はい。」即答。
「トダ、人間界の話してやろう。人間界には賀茂のような陰陽師の実行役と巫女、祈り役がいる。これは天上界で習ったな。」
「はい。」
「それと風神様のように天上界、人間界を自由に行き来出来る大神がいる。」
丸太郎は単なる伝達係だと思っていたが大神か。
「そうするとひいらぎさんは?」
「ひいらぎさんは天上界の創設に関わるお方だ。
風神様よりもっと長く生きてられる。」
先生は続ける。「そして天上界を追われ神堕ちヤカラが存在している。愛宕は神堕ちのヤカラだ。」
「先生、人間界は混沌ですね。秩序は誰が?」
賀茂君が呆れ顔で「それを行うのが君達、神様じゃないか。トダ君、ほんと大丈夫?」
そうだった。学校で習った。
第一:人間界の平和と秩序を保つ 第ニ:人間界と協力しよう 第三:和を大切にしよう
それに大鏡は人間界の行いがリアルタイムで投影されている。天上界で事足りない場合には陰陽師や巫女の力を借りる。
僕には人間界での勉強が必要ようだ。本来の真面目な性格がでる。
「賀茂君、今から友達になってください。賀茂君と勉強がしたいです。」
僕は右手を伸ばした。賀茂君は手をださない。先生が「これが対価だ。」
”鈴”だ。「先生、いいんですか。こんな、恐ろしいもの僕にくれて。」
「賀茂、その価値が分かっているなら問題ない。」
賀茂は右手をだした。
「成立。」
「早速だが、愛宕の化けの皮が剝がしてくれ。奴はなかなか、手強い。
なにせ元神様だからな。」
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