第21話  風神 丸太郎

「いってきまーす。」玄関を出た。ヒイラギさんは庭に。白い花に目が「わー!」

「どうした?」弁天とサラが来る。

「花に目が」

ヒイラギさんが「この白い丸い花ね。”大手毬。”彼は天上界との伝達係。トダ君が運動会で追いかけた玉はこの子ね。」

大手毬が急に大きなった。

「運動会の大玉。」

大手毬がしゃべりだす。「トダ、運動会見ていたがお前はトロい。足も遅い。体力不足は神様にとって残念だ。明日から走れ。俺様が付き合ってやる。」

ヒイラギさんが「丸太郎いい考えだね。」

「トダを鍛えますよ。」

生意気な大手毬は小さくなって僕の肩に乗った。

”丸太郎は風神の化身。気性は天上界一の激しさ。トダ君もエライ神様に好かれたものだ。しかし、ヤカラのあの方を倒すには良いかもしれない。今のトダ君の力では。”ヒイラギさんが小さくつぶやく。

「行ってきまーす。」

丸太郎は僕の肩。

「みんな行ってらっしゃい。」

早速サラが丸太郎を触る。

「ふわふわ。可愛い!」

弁天も「真っ白で丸々。可愛い。」2人に褒められて丸太郎は上機嫌。

「女子高生はいいなー。俺様、このまま人間界に住み着くのも悪くない。」

後ろからレンの声「トダ、何、変なの肩にのせてんだ。」

同時にものすごい風がレンを襲いレンは飛ぶ。

キリが受け止め、タクヤも合流。

キリが「これは風神様ではないですか?どうしてここに?」

「巫女のキリか。訳あっていや、

このトダを鍛えるためにこうして俺様がいるんだ。」

「お役目、ご苦労様です。」

「姉のユイは元気か。」

「はい。学校で勤めております。」

霧島家は水系の巫女。雨乞い祭で風神様とは親しい。

「そうか。」丸太郎の偉そうな声。

「風神か。」僕は丸太郎の頭をポンと叩いた。

「トダ、俺様は偉いだ。丁寧に扱え。」

「はい。はい。丸太郎様、学校では静かに。」

「分かっている。」

スーッと黒い影が校門の中へ。

誰も気づいていない。

「おはよう。」ミユだ。

サラが抱きつく。「本当大丈夫?」

「全然大丈夫。」

「そう、良かった。」

「新しい顔?誰かな?」

「私は弁天、ヨロシク。」

「はーいミユでーす。」

弁天は可愛い女子が苦手のようだ。

「じゃまた。」

僕は2ーCへ。

清水さんの席がない。

隣の女子に「清水さんは?」

「清水さん?そんな子、このクラスにはいないよ。」

存在自体消滅。

霧島先生が立っていた。

「そんなものだ。」

「ガラー」ドアが開く。

「転校生の

愛宕一郎です。ヨロシク。」

丸太郎が「奴はヤカラだ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る