第13話 天野家 居候増える

「弁天です。今日からお世話になります。」

元気に弁天がおばあさんに挨拶する。

「あら、3人とも玄関で立っていないで中に入りなさい。」

「はーい。ありがとうございます。」サラより先に弁天が上がる。サラがあわてって

弁天を追う。僕は二人について居間へ。おばあさんはいつもの定位置、左に窓。椅子に深く腰掛ける。弁天は壁側ソファーにでーんっと座ってる。

なぜかサラは立ったまま。僕が部屋に入るや否や。

サラが「どうゆうこと?弁天あなたは誰?それにおばあちゃんこの子知ってるの?」

おばあさんは「弁天は私の古い友人の孫だよ。しばらく、トダ君とこっちの人間界で生活することになったんだ。」

「えっ?こっちって何?」

おばあさんはお茶を一口。「サラ、仲良くしてあげてね。」

明らかにサラの機嫌が悪い。サラは弁天に「あなた、弁天、少し図々しくない。もう少し、挨拶とか私にできないの?常識ないの?」

サラの発言は少しお年寄りぽい。

弁天はサラに向かって直球。「あなたの言うことって人間のお年寄りぽいよね。若いのにね。」

サラの顔がだんだん真っ赤くなってくる。

「おばあちゃん、私、この子と住みたくない。追い出して。お願い。」

おばあさんは困った顔をしている。

更に弁天がたたみかける。「あなた、サラだっけ?おばあさん、困ってるじゃないの。私もあなたのようなわがままな人間とは住みたくないわよ。トダよくこんなこんな子と住めてるよね。」

弁天が当たり前のように僕に聞いてくるが、記憶喪失中の僕は弁天を知らない。

「弁天、悪いが僕は君のこともわからない。記憶喪失中なんだ。サラはそんな僕を助けてくれた。この家で見ず知らずの僕を住まわせてくれているんだ。だから、君は僕を知っているのかもしれないが、サラのこと悪くは言わないでくれ。

それに記憶がないがこの鈴、弁天って文字は僕の字だ。だから僕は君を知っているんだろうが...」僕はそのあと黙った。

弁天が「ごめん。ちっと私も言い過ぎた。ごめん。サラ。」

サラが「まあ、トダもああいってたし、まあ、しょうがないわね。で、ちっとわからないんだけど。おばあちゃん、教えて。弁天とトダは何者?こっちの世界とか人間界とかよく聞こえなかったんだけど。もしかしたら私の聞き間違い?」

弁天がおばさんに「ヒイラギさん、サラは天上界のこと何も知らないの?」

「そうね、話すの忘れてたのよ。」

弁天が「えっー!」

サラも「えっ???」

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