第10話 2–C担任霧島ユイ
僕の高校生活2-Cでの1日が始まった。「トダ君、君はいや、言い直そう、君は今日から私の可愛い2-Cの生徒だ。みんなと同じ呼び捨てだ。トダ。席は、清水の隣に。」「はい。」
僕は教壇前からみんなの席の間を通って一番後ろの席に着く。途中、女子達のざわつく声が聞こえた。“神様だって”“色白でほんと神様みたい。”“イケメンだけど細いよね。”“女子っぽい。”ざわつく声を聞きながら僕は、一番後ろの清水さんの席の隣に座った。
「トダ君ヨロシクね。私は学級委員の清水よ。わからないことがあったら何でも聞いてねね。」
「清水さんありがとう。それにさっきも先生のからかい、助けてくれてありがとう。」
「あー、あれね。霧島先生は、いい先生なんだけど時々、変な絡みが多くて。でもいつものことだから気にしないで。」
僕は朝、職員室で会ってからの霧島先生を振り返る。ポケットの”鈴“は言い当てるし、考えを読まれていたようで。先生には少し気をつけよう。こうしてなんとか午前の授業が終わった。
何人かの男子がお昼、一緒に食べようぜと声をかけてくれたがサラとの約束もあるし、断った。僕はおばあさんが作ってくれた弁当を持ち学食に行った。「トダ、遅い。」サラが叫ぶ。
案の定レンもいる。僕は学食の席に着いた。サラが「みんな聞いて、昨日会ったトダは、私の兄貴です。改めて紹介するね。」レンが「昨日からサラの家に一緒に住んでいるんだろう。いいよな。お兄さん。サラ、俺も一緒に住みたいよー。」タクヤが「レン、それは無理だよ。家族じゃないし。」レンがサラの手を握って「サラ、じゃ今すぐ結婚しよう。」サラが「無理」答えるのと同時にタクヤがレンの肩に手を回して「レン残念。」ミユが「サラ、改めて紹介してよ。」「そうだね。トダは離婚した父に引き取られた兄貴よ。だから苗字も違うしね。あと今兄貴、トダでいいわ。トダは記憶喪失みたいなの。生活に今のところ支障はないけだ。「そうなんだ。」ミユが「トダ、ヨロシク。」キリが「ヨロシク。トダ。君の担任の霧島ユイは私の姉よ。少し変わっているけどヨロシクね。」
「えっ?霧島先生がお姉さん?」先生と妹のキリ。二人の持つ空気感が違う。どうしてだ?サラが「トダ、どうかしたの?」「いや、何も。」サラがほっとした顔をした。チャイムがなる昼休み終了だ。「トダ、じゃ放課後。」僕は一人2-Cの教室へ向かった。
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