第9話 人間界の高校
僕は転入生として登校。サラが「じゃお昼。」レンは「お兄さん。バイバイ。」と僕をからかいながら片手をあげて二人は1ーAの教室に消えた。僕は職員室へ向かう。先生達がいっぱいだ。あれ?この景色この感じを僕は知っている。僕は入口で立っていた。職員室の真ん中から声。「転校生。トダ君だね。こっちへ。」理系ぽい女子の先生が僕を呼ぶ。
「はい。」僕は返事をして先生の元へ。「おはよう。トダ君。天野さんから話は聞いている。1年のサラのお兄さんだね。苗字が違うのは両親の離婚。そう聞いているが。特に学校では踏み入った詮索はしない。その点は心配しないように。」
「はい。ありがとうございます。」僕は素直に返事をした。がなぜかこの先生には嘘がバレているようだ。綺麗な先生だがどこか見透かされているようで。少しこわいな。僕のカラダが何かを感じ取っている。「私は霧島だ。2–C君のクラスの担任だ。ヨロシク。」「はい。ヨロシクお願いします。」僕は真面目だ。天上界の学校でも?天上界?記憶が何か思い出せそうだ。だめだ。靄が頭の中で何かを隠す。仕方ない。今は、高校生。そう、高校生だ。余計なことは今は考えない。今は目の前のことだけをみよう。先生が立ち上がった。「じゃあ、トダ君クラスに行くぞ。」「はい。」僕の返事と同時にポケットの鈴が小さく動いた。霧島先生は「トダ君、学校に持ってきちゃいけないな。その鈴は。」鈴?持っている僕でさえ忘れていた鈴。霧島先生は、なぜ鈴を持っているのが、わかったんだ?まあ、いい。とりあえずこのまま。流れに乗るように。僕は先生のあとをついて職員室を出た。廊下がやたら長く感じられた。正面玄関横より2階へ上がる。窓から野球のフェンスにテニスコートが見えた。この学校の運動場は広い。それに今日の空はとてもきれいだ。「そうだな。今日は空はとてもきれいだ。」えっ?僕の脳内読まれた?それとも僕は無意識に言葉に出していたのか?
”先生・・・”言いかけて僕はやめた。何かが、引っかかった。「ガラガラ。」教室に着いた。「みんな、転校生のトダ君だ。見かけは普通の高校生だが、こう見えて彼は神様だ。」クラスのみんなが一斉にどよめいた。
「霧島先生。いつもの冗談ですか。転校生が困っていますよ。」
学級委員の清水さんが先生をしかった。「悪い。トダ君。私はこういう性格だ。気にしないでくれ。」僕は小さく「はい。」と答えた。
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