第5話 高校生トダ
「いただきます。」サラとおばあさんと3人でテーブルを囲む。サラがテンションが高い。「トダ、食べて、食べて。おばあちゃんの料理は最高よ。」
「ありがとう。では遠慮なく。いただきます。」肉じゃがを一口。パクリ。「美味しい!」口の中でじゃがいもが肉汁と染み込みホクホクで溶けていく。「サラ、ほんとだ。おばあさんの料理はおいしくて最高だ。」
サラが嬉しそうに「でしょう。でしょう。」
おばさんが小さな声で「トダ君、地上の食事は気に入ってくれたかい。たくさんたべてね。」僕は「えっ?」
横のサラはバクバク食べていておばさんの声は聞こえていないようだ。
サラは「トダ、お味噌汁も飲んでみて。だしが効いていてこれも最高よ。」
「ありがとう。」僕は味噌汁を飲んだ。カツオだし。懐かしいカツオの香り。おいしい。
おばあさんが「サラ、嬉しそうだね。」サラはニコニコしながら「そう?いつも通りだと思うけど。でも人数が多いとなんだか楽しいよね。」そう言いながらパクパク、サラは、ご飯を食べた。そして、おばあさんのご飯も一通り食べ終えたころ、おばあさんが「トダ君、明日からサラと学校通いなさい。」
サラが目をぱちくりして「えっ?同じ高校にトダ通えるの?」
おばあさんは「私の友人が高校の理事をしていてね。サラが高校1年。サラの兄ってことで高校2年。明日から転入生で手続きとったから心配しないで行きなさい。記憶がとぎれとぎれの今の状態だと不便なこともあるかもしれないが、その時はサラ、あなたがトダ君を助けてあげなさい。」
サラと僕は急な話にきょとんしたが、サラは嬉しそうに「ありがとう。おばあちゃん。」そう言いながらおばさんに抱きついた。サラは続けて「いつの間に連絡したの?」おばさんはニヤリと笑って「さっき台所でメールでね。」
サラは「さすが、おばあちゃん。」
おばあさんは僕の方を今度はしっかり見て「学生は勉強が必要です。トダ君、しっかりと勉強しなさい。今いるところのものをしっかり食べて。今いるところの勉強をね。」最後は僕にだけ聞こえる小声で。サラには聞こえていないようだ。
サラは嬉しそうに。「じゃ、トダ、明日から学校ね。なんだか楽しくなりそう。」
こうして僕は明日から高校へ通うことが決まった。
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