第3話 神様トダは居候
「君、覚えてないの?」女子高生の顔が近い。
「ごめん覚えてなくて。」僕は顔を近づける。
「あー!」思い出した。「朝、会った子だ。」僕に話しかけた。そうそう、僕も、うかつだった。返事をしてしまった。本来、神は人間と話してはいけない決まりで。規則違反は減点対象だ。卒業が遠のく。
「君、さっきから何言ってるの?神様?
君は、どう見てもただの高校生。家出でも、
したの?」僕が家出?僕は雲から落ちて?まずい、頭に靄が「頭がいたい。僕はどうやら記憶喪失のようだ。僕に関わらないでくれ。」
サラがカバンでまた僕の頭を叩いた。
「いたい。乱暴はいけないぞ。」
「君、名前は?私はサラ。」
「名前は...トダ。神様トダだ。」
サラは「神様は余分だわ。トダ。トダが君の名前ね。私はサラ。行くとこなかったら家来る?」
僕は急な提案に驚いた。が、乗った。
正直、行く所がない。どうやら今は、僕の姿は周りの人達に見えるらしい記憶も途切れ途切れで曖昧だ。
安全な居場所?大丈夫か、この子は?
“行くんだトダ”空から声が聞こえた。
僕は即答「サラ。行く。頼みます。連れて行ってください。」人に頼みごとしたの、初めてだ。
サラはカバンで僕を突っついて
「行くよ。トダ。」ベンチから立ち上がり、後ろから声が。「サラ、走って教室出るから、どうしたかと思ったら、誰?その彼?」被せるようにレンの声「彼だって!サラ、俺がいながら誰だよ、その男。」サラは少し慌てたが「兄貴よ。」ミユがじろじろ僕を品定めする様に見て「サラと全然似てない。ほんとにお兄さん?」
レンが「俺は幼稚園からサラと一緒だっが一度も兄貴の話、聞いたことないぜ。」
サラが「レン、バッカじゃないの。離婚した家族のこと話す訳ないでしょう。それに私は1人おばあさん家。」ふざけていたミユの顔もくもる。空気が重い。「おーい、何やってるんだ。」能天気なタクヤの声。「へーえ、サラの兄貴か。俺はタクヤ、ヨロシク。」流れで
「俺はレン。」バーンなぜか、挨拶と同時に胸をカバンで叩かれた。私は「ミユはヨロシク」ミユは、切替が早い。サラが「キリは?」「学級委員会があるって」タクヤが言った。
「そう。」何故か、キリにトダを会わせたかった。「じゃ。」みんなと別れた。家に向かう。
僕はポツリ「サラ、嘘ついたな。」
サラは前を向いて「嘘じゃないもの。」小さく言った。
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