第2話 神様トダ現る

僕、神様トダは道に倒れこみ、再び目を覚ました。どのくらいの時間が経ったんだろう。地上の時間感覚が分からない。僕は誰だ?いや神様で・・・いや人間か?それとも夢?なのか?

天上界の年に一度の大運動会。僕は玉を追いかけ雲から落ちて・・・記憶がとぎれとぎれだ。「まあ、いいか。」僕は公園に移動。何人かの人間とすれ違ったが誰も気づかない。それにぶっかっても空気のように僕のカラダをすり抜けて行く?「まあ、いいか。」僕の口癖だ。天上界では真面目な僕。成績、素行共にトップだ。しかしその真面目な僕は”抜き方を知っている”でないと息が詰まる。記憶が戻りそうだ。

喉が渇いた。キョロキョロ。水飲み場、「うまい。」地上の水も悪くないな。僕はベンチに腰掛けた。3人掛けのベンチにでーんっと両手を広げて座った。「気持ちがいい。」小さいな子が僕を指さして、「ベンチの一人占めはいーけないんだ。いーけないんだ。」僕の目はバッチリ、その親子と合った?子供のお母さんが「見ちゃだめよ。」そう言って指をさした子供の手をとり小走りに離れて行った。

「えーっ!見えてる!」

静かに音もなくベンチの端におばあさんが座っていた。何かブツブツ独り言を言っている。「その土地の物を口にするとその土地の人となるよ。昔からそう言われているよ。」

“しまった。飲んでしまった。”

おばあさんは「ふふふふーー。」微かな笑いを残してスーッと消えた。どうなっているんだ。

僕はベンチに座ったまま、両手を広げて、手を確認、立ち上がり両足を確認「ある。ある。大丈夫だ。しかし・・・」僕はベンチに「ガタン。」座り込み、空を見た。記憶がない。「はー。」大きなため息をついた。僕の目の前に怖い顔の警察官が2人立った。「君、高校生?こんなところで、サボり?さっき親子連れから変質者がいると連絡が入ってね。」警察官の顔が近い。「すいません。彼、私の兄です。浪人中で。」キラキラと光ながら彼女が走って来た。

「そうでしたか。じゃ、よろしく。」警察官は立ち去った。「君は誰?」言った瞬間、彼女にカバンで叩かれた。

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