空から落ちた神様は高校生になる

京極 道真  

第1話 地上へ落ちた神様とサラ

頭が痛い。背中も痛い。僕は背中をさすりながら周りを見た。「えーっ!」ここは天上界ではない。確か天上界の年に一度の大運動会で。僕は玉転がしにエントリー。転んだ玉を追って玉が地上に落ちて?「あれ?」記憶が?周りには人間がたくさん。落下して来た僕のことなど誰も気にしていないようだ。「ズッキン。」頭が痛い。頭の中に白い靄が。”あれ?僕は誰?ここは何処?”僕はそのまま、地面へ倒れた。朝の登校時間。女子高生たち3人が並んで「きゃあきゃあ」話ながら歩いていた。サラが気づく。前を指さして「見て、男の子がたおれている?」キリが「どこ?何もないわよ。」ミユがふざけて「サラこわーい。お化けでも見たの?」

「おーい、どうした?」後ろから同じクラスのレンとタクヤが来た。ミユが「サラが男の子が道に倒れているって。」サラが「ほら、あそこ」指をさした。幼なじみのレンが目をこすり「サラ、おまえの言うことは信じたいが。何にも見えない。でもサラ、お前が見えるんだったら俺も見える。」タクヤが「レン、それってあり?」

バーン。軽くタクヤの胸をたたき「あり。」レンは言い切る。キリが「まあ、なんだか、わからないけど。そういうことで。サラ、遅刻するよ。みんな走れ。」さすが学級委員でバスケット所属のキリは、すごい。切り替えと判断力は見習いたい。彼女が男子だったら絶対に彼氏にしたいタイプだ。サラはそう思いみんなには見えない、倒れた男の子を横目に学校の校門へと走った。”ごめん。帰りね。”思わず心の中で男の子に話しかけてしまった。僕の脳内にサラの声が届く。”頼む。待ってる。”僕は答えてしまった。神との対話。僕はつい返事をしてしまった。「ズッキン。」頭が痛い。僕は再び倒れこんでしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る