第27話 合格?
「桃華さん、涼君は、『合格』ですか?」
柚香さんが僕が案内された部屋へ入ってきたと思ったら、いきなり桃華さんに問い掛けた。
「はい、『合格』です。このまま涼様を『お預かり』してもよろしいですか?」
「え〜っ、今すぐ?」
「はい、差し支えなければ。何しろ、五百年ぶり位ですからねっ!」
「………………………………仕方ないわね。涼君、頑張ってね?」
僕を除け者にして、話が進んでいるようです。
「………………………………何が始まるんですかっ!」
「桃華さん、夕食は7時からです。それまでに涼君を返してね。」
「承知しました。では、行きましょうか、涼様。」
「ちょっ、まっ、何が………………………」
桃華さんはその細い身体に似合わない力で、僕を引きずるように部屋から連れ出して渡り廊下の対面にある部屋へと連れ込まれた。
「………………………………何なんですかっ!このラブホテルみたいな部屋はっ!」
「あら、涼様、ラブホテル、行った事お有りでしたか。」
「っ、有る訳無いでしょっ!つい先日まで童貞だったんですからっ!
んで、何ですかこの部屋はっ!」
「『目的』は、ラブホテルそのものですよ。」
「意味がわかりませんっ!説明を要求しますっ。」
「もしかして、柚香様から何もお聞きになってませんか?」
「聞いてませんっ!知りませんっ!待ってください何で脱ぎ始めるんですか桃華さんはっ!」
「説明は後でさせていただきます。では、始めさせていただきます。」
何か逆らえない不思議な力に押されて、僕はなすがままにされてしまうのでした。
※※※※※※※※※※
「………………………………桃華さん?」
「はい、何でしょうか涼様。」
「教えてもらえるんですよね、理由を。」
「その前に、涼様はエルフについてどこまでご存知ですか?」
まるでラブホテルの様な部屋のベッドの上。
その目的通りの使い方をした僕と桃華さんは、抱き合って繋がったままで話し合っていた。
「ラノベに書いてある事くらいしか知りませんよ。桃華さんはホントにエルフなんですか?」
「はい、ハーフエルフです。年齢は、先程お伝えした通り一万と二十三歳ですよ。」
「………………………………訳を、詳しく、教えてもらえますか?」
「長くなりますが、よろしいですか?」
「聞かないと、柚香さんと顔を合わせられません。」
「柚香様のご指示なんですけどね。」
「それでもですっ!」
「わかりました。お時間までお伝えしますね。シャワーして着替える時間もありますからね。伝えきれなかったら、続きは今夜またこのお部屋で。」
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