第26話 桃華様って…………

『少しだけ私の愛情が入っておりますが。』


柚香様がお友達をお連れして、お帰りになられた。

私の知る限り、男友達をお連れになるのは初めてだろう。

早速、当主様のご指示通りに道場へご案内する。


「儂に一太刀でも触れられたら、交際を認めてやる。刀に触れるだけでも良いぞ?

但しっ、不甲斐ないようだったら、切り捨てるっ!」


当主様の無茶振りを物ともせず、太刀を弾き飛ばした涼様。

当主様の敗北を、初めて見ました。

長生きはするものですね。


「………………………………一万と二十三歳です。」


「……………………………………………エルフですかっ?」


何故か、一発で見破られてしまいました!

なんで、わかったのでしょうか?


「………………………………少しだけ私の愛情が入っておりますが。」


私の『愛情』入りのミネラルウォーターですから、これを飲んでいただいたからにはもう龍ケ崎一族からは逃れられませんからね。


不老不死ほどではありませんが、長生きしてもらいますからね。

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